小児期発症の1型糖尿病患者が成人期医療にスムーズに移行できるようサポート 日本糖尿病協会
2019.10.25
公益社団法人 日本糖尿病協会(理事長:清野 裕・関西電力病院総長)は、小児期発症の1型糖尿病患者が成人期医療にスムーズに移行するのをサポートする「移行期医療コーディネーター制度」を発足した。
小児科と内科の橋渡しをするコーディネーター
日本糖尿病協会の「移行期医療コーディネーター制度」では、全国を7つのブロックに分けて、小児科と内科の橋渡しをする内科医師にコーディネーターの役割を担当してもらう。 コーディネーターとなる医師は、小児糖尿病キャンプの活動などを通じて地域の小児科医と内科医(糖尿病専門医)に広い人脈をもっており、インスリンポンプやCGMなど、先進の医療知識も豊富だ。 その地域以外の糖尿病専門の内科医をさがすことにも長けており、コーディネーター間の連携もとれるため、それぞれの情報をフルに活用して対応できるようになる。 コーディネーターは、担当するエリアの1型糖尿病を診療できる医師の情報をもち、依頼者である患者と受け入れる医療機関の調整を行う役割を担う。相談を受けた患者を直接診療する場合もあるが、基本的な役割は患者の要望に沿う医療機関を紹介するという行為に留まる。 1型糖尿病患者が、小児科から内科へ移る際、または進学・転居などで新しい場所に移った際など、どの医療機関を受診すべきか分からないときは、まずは主治医に相談することが勧められるが、そこで解決できない場合に、主治医が地域のコーディネーターの医師に相談する仕組みが考えられている。主治医から転居先の地域のコーディネーターの医師に直接連絡する方法もある。 「1型糖尿病移行期医療 コーディネーター」のリストは同協会のホームページで公開されている。「1型糖尿病の成人期医療移行チェックリスト」を公開
日本糖尿病協会は、「1型糖尿病移行期医療合同委員会」(日本糖尿病学会・日本小児内分泌学会・日本糖尿病協会)の一員として、小児期発症の1型糖尿病患者が成人期医療にスムーズに移行することができるよう、さまざまな取組みを行っている。その取組みの一環が、「1型糖尿病の成人期医療移行チェックリスト」だ。 このチェックリストは、主に小児科で利用されるもので、患者が受診先を小児科から内科に変更する際に、「ここまではできるようになっていてほしい」という到達度を診療項目別に5段階で評価するもの。 そして、成人期医療への移行をスムーズに行うには、患者本人だけでなく保護者の理解も必要になることから、チェックリストは、患者本人の到達度を見るものと保護者の到達度を見るものの2種類が用意されている。 医療者と患者・家族にこのチェックリストを活用してもらい、一緒に目標を話しあえるようになることを期待しているという。「成人期医療移行チェックリスト」は同協会のホームページでダウンロードできる。 1型糖尿病移行期医療 コーディネーター リスト(公益社団法人 日本糖尿病協会) 1型糖尿病の成人期医療移行チェックリスト(公益社団法人 日本糖尿病協会) 公益社団法人 日本糖尿病協会[Terahata / 日本医療・健康情報研究所]