基礎インスリンとGLP-1受容体作動薬の配合剤「iGlarLixi」の第3相試験 インスリングラルギンとリキシセナチドを1単位:1µg配合

2019.07.05
 サノフィは、開発中の「iGlarLixi(インスリン グラルギン/リキシセナチド配合剤)」とインスリングラルギンを比較した第3相「LixiLan JP-L」試験の結果を、第79回米国糖尿病学会(ADA)年次学術集会で発表した。

空腹時血糖に加えて食後高血糖の改善にもつながる

 日本糖尿病学会、米国糖尿病学会、欧州糖尿病学会のガイドラインは、血糖コントロール不十分な2型糖尿病患者に対し、基礎インスリンとGLP-1受容体作動薬の併用療法を推奨のひとつとしているが、いずれも注射剤であり併用には複数回の注射が必要となる。

 「iGlarLixi」は、こうした治療実態を考慮して、基礎インスリンであるインスリングラルギンとGLP-1受容体作動薬であるリキシセナチドを1単位:1µg(インスリングラルギン100単位/mL・リキシセナチド100μg/mL)で配合した1日1回皮下投与の配合注射剤。

 インスリングラルギンが主に空腹時血糖を低下させるのに対して、リキシセナチドは主に食後血糖を低下させるため、同剤は1回の投与で空腹時血糖と食後血糖のいずれも改善することが期待される。日本では2型糖尿病の治療薬として開発されている。

 「LixiLan JP-L」試験は、基礎インスリンと経口血糖降下薬の併用療法で十分な血糖コントロールが得られない2型糖尿病患者512人を対象に、iGlarLixiの有効性と安全性を評価することを目的とした、非盲検、ランダム化、実薬対照、多施設共同第3相試験。主要評価項目はベースラインから投与26週後までのHbA1c変化量とした。

 その結果、ベースラインから投与26週後までのHbA1c変化量は、iGlarLixi群-1.27%、iGlar群-0.53%となり、群間差は-0.74%(95%信頼区間:-0.865%、-0.617%)であり有意差が認められた(p<0.0001)。

 iGlarLixi群においてはHbA1Cがベースライン値8.25%から26週後に7.05%へ、iGlar群ではHbA1Cがベースライン値8.28%から26週間に7.81%へと低下した。

 iGlarLixi群の安全性プロファイルは、全般的にインスリングラルギンおよびリキシセナチドの各配合成分の既知の安全性プロファイルを反映していた。これらから、同剤が基礎インスリンでコントロール不十分な2型糖尿病患者の新たな治療に貢献しうることが示唆された。

糖尿病・内分泌プラクティスWeb 糖尿病・内分泌医療の臨床現場をリードする電子ジャーナル

インクレチン(GLP-1・GIP/GLP-1)受容体作動薬 SGLT2阻害薬 NAFLD/NASH 糖尿病と歯周病 肥満の外科治療 骨粗鬆症 脂質異常症 がんと糖尿病 クッシング症候群 甲状腺結節 原発性アルドステロン症 FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症 褐色細胞腫
GLP-1受容体作動薬の種類と使い分け インスリンの種類と使い方 糖尿病関連デジタルデバイスの使い方 骨粗鬆症治療薬の使い分け 二次性高血圧 糖尿病薬を処方する時に最低限注意するポイント(経口薬) 血糖推移をみる際のポイント 1型糖尿病の治療選択肢(インスリンポンプや持続血糖測定器など)
Childhood Cancer Survivor(CCS)の小児期から成人にかけての内分泌診療 小児・思春期1型糖尿病患者・家族への指導・支援 成人期を見据えた小児期発症1型糖尿病の診療
エネルギー設定の仕方 3大栄養素の量と質 高齢者の食事療法 食欲に対するアプローチ 糖尿病性腎症の食事療法
神経障害 糖尿病性腎症 服薬指導-短時間で患者の心を掴みリスク回避 多職種連携による肥満治療 妊娠糖尿病 運動療法 進化する1型糖尿病診療 糖尿病スティグマとアドボカシー活動 糖尿病患者の足をチーム医療で守る 外国人糖尿病患者診療

医薬品・医療機器・検査機器

糖尿病診療・療養指導で使用される製品を一覧で掲載。情報収集・整理にお役立てください。

一覧はこちら

最新ニュース記事

よく読まれている記事

関連情報・資料