米アップルが糖尿病自己管理サポート「One Drop」の提供を開始 SMBGとAIを組合せて患者教育を底上げ
2019.07.01
米Appleが、「One Drop」という、血糖自己測定器を取り入れたデジタル糖尿病管理システムの販売を米国で6月27日に開始した。米国の一部のアップルストアで購入できる。
患者教育の格差を減らすのに貢献
「One Drop」は、(1)測定値を専用のスマホアプリに送信し管理できるワイヤレスの血糖自己測定システム、(2)サービスで認定された糖尿病コーチ(AI)による365日24時間対応のオンラインサポート――から構成される。 糖尿病コーチ(AI)による教育プログラムの内容は、糖尿病前、体重管理、高血圧・高コレステロールに拡張され、米国糖尿病学会(ADA)の「糖尿病の自己管理教育品質(Quality Self-Management Education)」にはじめて適合したという。 120万人以上のユーザーから収集された健康データをもとに構築されており、独自の機械学習により、行動を結果と結び付ける意思決定を簡素化し、持続的な行動変容を促進する実用的なアドバイスを提供する。 iPhoneおよびAndroid向け専用アプリは、経口薬や基礎インスリンを使用している患者向けで、血糖値、血圧値、体重、薬物療法、食事、身体活動のモニタリングができるのに加え、AI(人工知能)による業界初の8時間の血糖値を予測する機能が付いている。FitbitやDexcomなどの機器にワイヤレスで接続できる。 最初の1年間の費用は、血糖自己測定機や測定チップ、穿刺器などを含めて69.95ドル(約7,500円)。 米国の糖尿病患者数は2,910万人で、毎年140万人が糖尿病と診断されている。一方で米国の糖尿病療養指導士(Certified Diabetes Educators)の数は2万人未満と少ない。 「デジタル技術を利用した患者教育は、"糖尿病自己管理教育および支援のための国内基準(DSMES)"へのアクセスの向上を助け、従来のプログラムを提供できない場合でも患者教育の格差を減らすのを潜在的に助けることができる」と、同社では述べている。One Drop | Experts Becomes the First Digital Diabetes Education Program Recognized by the American Diabetes Association
[Terahata / 日本医療・健康情報研究所]