GLP-1受容体作動薬の特徴と服薬指導のポイント
2016.07.22
「糖尿病情報スクランブル」の連載「糖尿病治療薬の特徴と服薬指導のポイント」を更新しました。今回から、「GLP-1受容体作動薬」について、加藤光敏先生(加藤内科クリニック院長)に解説していただきます。
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第23回 GLP-1受容体作動薬(1)(本文より)
はじめに
今回はインクレチン関連薬の一つGLP-1受容体作動薬です。
人体におけるGLP-1は重要な生体ホルモンです。GLP-1は食事による血糖上昇に応じて、膵β細胞のインスリン分泌を促進する一方、血糖上昇作用のあるグルカゴン分泌を抑制します。また胃内容物排出を遅くし、かつ中枢性に過食を防ぐ作用もあります。ところが生体内ではGLP-1はDPP-4(dipeptidyl peptidase-4)により半減期1~2分ほどの早さで分解され、効果はすぐ失われます。これの対応策は大きく2つに分けられます。まずこの悪玉DPP-4の活性を阻害して、生体内のGLP-1を長持ちさせようというのが、ご存じDPP-4阻害薬です。もう一方は、GLP-1の構造を分解されにくいように変えた、GLP-1受容体作動薬という注射薬です(文献1, 2)。まず発見の切っ掛けとなった、ドクトカゲの話からいたしましょう。
「糖尿病治療薬の特徴と服薬指導のポイント」では、日本糖尿病学会認定専門医であり、同学会の認定指導医でもある、加藤内科クリニック院長の加藤光敏先生に、ご自身の知識と経験を踏まえた服薬指導のポイントを、わかりやすく解説していただきます。
[dm-rg.net / 日本医療・健康情報研究所]