妊娠前の両親のBMI高値、児の成人後MASLDリスクと関連

MASLDは世界で最も一般的な慢性肝疾患であり、成人の有病率は3割を超え、その一部は幼少期に発症している可能性が指摘されている。また、母親の肥満が児のMASLDリスクと関連していることが知られている。ただし、父親の肥満の影響の有無は明らかにされていない。加えて、親の肥満と成人後の児のMASLDリスクとの関連において、児自身が小児期に肥満であることの媒介効果も明らかになっていない。Tica氏らはこれらの点を、前向き研究デザインで検討した。
解析には、英国エイボン親子縦断研究(ALSPAC)のデータを用いた。1991~1992年の出生コホートから24歳まで追跡された1,933人を対象とし、妊娠前の親のBMIと、児が24歳になった時点のMASLDとの関連を評価した。MASLDは、トランジェントエラストグラフィーで肝脂肪化が認められ、かつ、1項目以上の心代謝リスク因子(空腹時高血糖や脂質異常など)を有する場合と定義した。
201人(10.4%)の児が24歳時点でMASLDを有していた。交絡因子を調整後、妊娠前の母親および父親のBMI高値は、それぞれ独立して児のMASLDに関連していた。具体的には、母親のBMIが1kg/m²高くなるごとに児が24歳時点でMASLDを有することのオッズが10%高かった(オッズ比〔OR〕1.10〔95%信頼区間1.06~1.14〕)。同様に、父親のBMIが1kg/m²高くなるごとにオッズが9%高いという関連があった(OR1.09〔同1.04~1.13〕)。
また、両親がともに過体重または肥満の場合、両親のBMIが正常範囲である場合と比較して、児のMASLDのオッズは3.73倍であった(OR3.73〔2.43~5.73〕)。さらに、この関連の67%は、小児期の累積的BMI過剰(児の7~17歳におけるBMI Zスコア>1の曲線下面積として定義される)によって媒介されていた。
以上に基づき著者らは、「母親だけでなく父親の肥満も児のMASLDリスクを高めることを見いだした。この関連の背後にあるメカニズムは複雑だが、本研究は、過剰な脂肪蓄積への早期介入により、後の世代のMASLDリスクが軽減される可能性を示唆している」と述べている。
なお、1人の著者が、Need社、Bayer社との利益相反(COI)に関する情報を開示している。
[HealthDay News 2026年3月4日]
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