糖尿病治療薬の特徴と服薬指導のポイント「第16回 SGLT2阻害薬 (4)」
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第16回 SGLT2阻害薬(4)
加藤光敏 先生(加藤内科クリニック院長)
SGLT2阻害薬が現時点で4種類発売されました。すでに処方・調剤経験があるかもしれませんが、臨床的効果はいかがでしょうか?各製剤の違いは大差無いだろうという意見が主流ですが、実際はどうなのかを今回考えてみたいと思います。
SGLT2阻害薬(以下SGLT2i)に違いはあるのか?
各社発表データをグラフ化すると実は下がり幅が明らかに異なります。しかし開始時のHbA1cが高ければ低下幅は大きくなるので、製薬会社発表データ(文献1)で効果を比較判定しようとしても本質は明らかになりません!そこで、行き詰まったら薬理学的な基本性質に戻って考えてみましょう。各SGLT2i製剤の体内動態を調べてみると、以下の点で違いが明らかになってきます。
すなわち①SGLT1と比較した際のSGLT2に対する選択性 ②薬物と血中アルブミンとの蛋白結合率 ③血中半減期 ④代謝:肝臓ではグルクロン酸抱合かCYP代謝か ⑤尿中における未変化体の割合。これらはSGLT2iの安全性および効果に関係することです。
糖尿病治療薬の特徴と服薬指導のポイント とは?
服薬指導を行う際は、患者さんのさまざまな訴えに対して、わかりやすい言葉で的確に指導することが大切です。そのためには、治療薬の特徴を理解し、病態に適した選択を行わなければなりません。このコーナーでは、日本糖尿病学会認定専門医であり、同学会の認定指導医でもある、加藤内科クリニック院長の加藤光敏先生に、ご自身の知識と経験を踏まえた服薬指導のポイントを、わかりやすく解説していただきます。