サノフィがGLP-1受容体作動薬「lixisenatide」の承認申請 FDA

2013.03.01
 サノフィは2月19日、1日1回投与のGLP-1受容体作動薬「lixisenatide」の新薬承認申請を、米国食品医薬品局(FDA)が受理したと発表した。これに先立つ2月1日には、欧州委員会(EC)により欧州におけるlixisenatideの販売が承認されている。

基礎インスリンにGLP-1受容体作動薬を追加

 FDAへの新薬承認申請は、GetGoal臨床試験プログラムの結果にもとづく。GetGoalプログラムは、5,000人以上の2型糖尿病患者を対象とした11件の臨床試験で構成され、GLP-1受容体作動薬と基礎インスリンの併用療法の検討が行われた(3件の臨床試験で1,250例を検討)。

 同プログラムにおいて、lixisenatideは成人2型糖尿病患者のHbA1cの有意な低下をもたらし、食後血糖値の有意な低下と体重に対する有益な効果を示すことがあきらかになった。lixisenatideの安全性と忍容性はおおむね良好で、GLP-1受容体作動薬で一般的に認められる副作用の悪心や嘔吐は、軽微で一過性であり、低血糖リスクも限定的だった。

 同社は、基礎インスリンにlixisenatideを追加する治療法を検討した理由として、HbA1cを構成する別々の因子に対して影響を及ぼすと説明している。Lixisenatideは食後血糖値に対して著しい効果を示すため、主に空腹時血糖値を低下させる基礎インスリンを補う効果を発揮する。基礎インスリンで空腹時血糖のコントロールが良好であったにも関わらず、2型糖尿病が進行しHbA1cの目標値に到達できなくなった患者に対しては、食後血糖値の改善効果を示すlixisenatideを追加する治療法が有効な血糖コントロール戦略となる。

 急性冠動脈イベントを最近経験した患者をはじめとする心血管リスクの高い患者にlixisenatideを投与し、心血管における転帰を検討する試験である、現在実施中のELIXA臨床試験のデータも、FDAの求めに応じて提出した。

 サノフィは、欧州ではlixisenatideを2013年第1四半期後半に、Lyxumiaの商標名で上市する準備を行っている。米国におけるlixisenatideの商標名は検討中。

サノフィ

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