L-イソロイシン配合の流動食で糖尿病患者の血糖コントロールが改善

2012.02.16
 味の素が研究を進めているアミノ酸「L-イソロイシン」配合濃厚流動食を、加齢や疾病により通常食が摂取できない糖尿病患者が長期間摂取することで、糖尿病治療の評価基準である血糖コントロールや栄養改善に効果があることが、医療機関の自主臨床研究で明らかになった。

 濃厚流動食は加速する高齢化社会のなかでその需要が増加している。また加齢にともない糖尿病患者も増加し、栄養状態も悪化する傾向にある。従来の研究で、L-イソロイシン配合濃厚流動食が、一般の濃厚流動食と比較し、摂取2時間後の血糖値の上昇を有意に抑制することが確認されている。

 アミノ酸L-イソロイシンは、乳製品、肉類などに多く含まれる必須アミノ酸であり、ヒトでは体外からの摂取によって補給される。サプリメントやスポーツ飲料に配合されているアミノ酸BCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン)のうちの1つ。

 L-イソロイシン配合濃厚流動食を摂取した群では、血糖コントロール指標(HbA1c)を6.5%未満に維持・改善でき、栄養指標(Alb)も平均値で3.5以上に改善された。

 今回の研究成果は、5つの医療機関からの6演題で構成される。2月23日より神戸で開催される第27回日本静脈経腸栄養学会で発表される予定。

【第27回日本静脈経腸栄養学会での発表予定】
医療法人静可会三加茂田中病院・栄養管理サービス課・佐藤晴美、他(1演題)
財団法人信貴山病院ハートランドしぎさん・栄養部・岡田有司、他(1演題)
金沢病院・内科・高田耕二(2演題)
医療法人三重愛心会・四日市青洲病院・看護部・川羽田安永、他(1演題)
特定医療法人葦の会オリブ山病院・診療部・梶原ひろみ、他(1演題)
第27回日本静脈経腸栄養学会

味の素株式会社

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