インスリンアナログ製剤による2型糖尿病治療が有意に血糖コントロールを改善
2011.12.28
ノボ ノルディスク社は、28ヵ国でインスリン治療の安全性・有効性を検証した試験「A1chieve試験」の結果が「Diabetes Research and Clinical Practice」誌に掲載されたと発表した。
A1chieveは、インスリン治療の安全性・有効性を検証した、国際、多施設、前向き、非盲検、非介入の24週観察試験。アジア、アフリカ、欧州、ラテンアメリカの28ヵ国、6万6726名の2型糖尿病患者が参加した。
参加者は試験開始前に主治医の判断により、ノボ ノルディスクのインスリンアナログ3種のいずれかにより治療を開始した。試験の主目的は日々の臨床におけるインスリン治療の安全性を評価することで、重大な低血糖を含む重篤な副作用の発現率を評価した。加えて、有効性(HbA1c、空腹時血糖値、食後血糖値)や参加者のQOL評価も行った。
その結果、インスリンアナログ製剤による2型糖尿病治療は低血糖の発現頻度を低く抑えながらも、有意に血糖コントロールを改善することが示された。ノボ ノルディスクのインスリンアナログによる24週間の治療後、HbA1cは9.5から2.1%有意に低下し、7.4%になった。全体的な低血糖発現頻度は、インスリン療法未経験者ではわずかに上昇したが、他のインスリンから切り替えた患者では低下した。さらに、患者によるQOLの評価が有意に改善した。
試験では、80%が既に糖尿病の合併症を発症しており、75%が心血管疾患を有していた。英国ニューキャッスル大学糖尿病内科学教授のフィリップ ホーム氏はこのデータについて、「HbA1cがこれだけ改善すると、その臨床的意義は非常に大きい。HbA1cが1%改善することにより、糖尿病の長期合併症リスクが低下することは知られている。したがって、この試験で見られた改善は、参加した糖尿病患者の長期的展望の改善の可能性を意味する」と述べている。
ノボ ノルディスク ファーマ
[Terahata / 日本医療・健康情報研究所]