第82回米国糖尿病学会(ADA2022) ハイライト (2) 糖尿病は新型コロナの長期後遺症の強力な危険因子?

2022.06.15
 第82回米国糖尿病学会年次学術集会(ADA2022)が、2022年6月3日~7日にニューオーリンズで開催された。オンデマンドは9月5日まで公開される予定。

 米国糖尿病学会(ADA)は、米国の1億3,300人が糖尿病か前糖尿病(prediabetes)だと推定している。過去20年で糖尿病と診断された米国人の数は2倍以上に増えた。

 糖尿病患者は、新型コロナを発症し回復した後も、「ロングCOVID-19」と呼ばれる新型コロナの長期の後遺症があらわれる可能性が、最大で4倍高いことが明らかになった。
 糖尿病が「新型コロナの急性後遺症(PASC)」の潜在的な危険因子であり、▼疲労感・倦怠感、▼思考力・集中力の低下、▼呼吸困難・息切れ、▼筋力低下、▼うつ病など、新型コロナの回復後もさまざまな症状があることが判明した。
 糖尿病患者などを対象に、新型コロナ診断後に最低4週間追跡してPASCのリスクについて調査、同時に2020年1月1日~2022年1月27日に英語で発表されたすべての観察研究の査読済み論文も確認。

 COVID-19パンデミック中の1型糖尿病小児での、重度のDKAのリスクをパンデミック前と比較するため、18件の研究のメタアナリシスを実施。新たに診断された1型糖尿病の小児での重症DKAのリスクも調査。
 その結果、COVID-19以前の期間に比べ、パンデミック中の重篤なDKAリスクは76%高く、新たに診断された1型糖尿病の患者では重度のDKAのリスクは44%高かった。
 「重篤なDKAは予防戦略を必要とする生命を脅かす非常に重篤な状態であり、DKA症例の大幅な増加は、とくにパンデミック中は、医療システムに負担をかける可能性がある」と指摘。

 米国疾病管理予防センター(CDC)の調査によると、糖尿病成人の視力障害(VI)の有病率は、過去20年間に減少していたが、2000年代最初の10年間には減少が止まり、2012年に頭打ちになった可能性がある。
 糖尿病患者のVIの有病率は、1999年~2012年にかけて有意に減少した(21.5%から17.7%)が、2012年に変曲点が続き、2012年~2018年に増加に転じた(17.7%から20.7%)。
 「糖尿病患者の視力喪失を防ぐための効果的な介入を設計する必要がある」と指摘。5万2,000人以上を対象とした米国国民健康調査のデータを使用。

 Twin社で提供している「Whole Body Digital Twin」システムは、CGM(FreeStyleリブレ)・スマホアプリ・AIによるパーソナルヘルスコーチ・医師へのオンライン相談・年4回の血液検査・患者が撮影した食事画像にもとづく食事指導・身体活動や睡眠などの記録ができるプログラムなどで構成される。
 このシステムを2型糖尿病患者に90日間使用させたところ、199人中の94.9%が、投薬なし/メトホルミンのみで、HbA1c6.5%未満を達成した。また、83.9%がADA基準にもとづく糖尿病寛解を達成し、9人のインスリン使用患者はインスリン治療を停止した。

2型糖尿病の成人向けに調整されたオンラインの体重管理プログラム「Weight Watchers」による6ヵ月の介入により、2型糖尿病患者の血糖値と体重のコントロールは改善すると、ペニントン生物医学研究センターが発表した。
 フロリダ大学やバージニア大学などで実施された、2型糖尿病患者136人を対象とした実証試験は、食事療法や運動療法を個別化し支援するアプリなどを利用して行われた。
 ベースライン時のHbA1cの平均が7.9%だったのが、プログラムに取り組んだ群では0.76%改善し、体重は平均して5.7%、胴囲は5cm以上それぞれ減少するという結果に。感情的な負担やストレスも低減。
 同センターは今後、別の試験も計画しており、過体重もしくは肥満(BMI 27~50)の18歳~70歳の米国人50人以上を募集する予定。

American Diabetes Association 82nd Scientific Sessions

[ TERAHATA / 日本医療・健康情報研究所 ]

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