ACCORD試験における強化療法に反応する2型糖尿病サブタイプ

2022.11.01
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連載:OVERSEAS
ACCORD試験における強化療法に反応する2型糖尿病サブタイプ
Vol.39 No.6(2022年11・12月号)pp.670-674

2022年11・12月号 目次

高山昇平 Takayama, Syouhei
駒津光久 Komatsu, Mitsuhisa
信州大学医学部 糖尿病・内分泌代謝内科

背景

 Action to Control Cardiovascular Risk in Diabetes(ACCORD)試験は,心血管リスクの高い2型糖尿病患者を対象としてHbA1c 6%未満を目標とする強化療法群とHbA1c 7.0〜7.9%を目標とする通常治療群において,主要心血管イベント(MACE:非致死的心筋梗塞・非致死的脳卒中・心血管死)が最初に発症するまでの期間を比較検討した大規模臨床試験である.結果は通常治療群に比べて強化療法群で有意な死亡率の上昇がみられ,試験が中断された.現在の2型糖尿病管理において心血管疾患(CVD)リスクの高い患者に対する厳格な血糖管理は推奨されておらず,それはこのACCORD試験で強化療法群の有害性が示されたことが一因である.しかし,その後のACCORDの疫学的解析で,死亡とMACEのリスクが最も高いのは,強化療法を受けた患者のうち,目標HbA1cに達しなかった患者であることが示された.さらに強化療法に対する血糖低下効果の不均一性が認められており,一部の患者には厳格な血糖管理が有益である可能性がある.

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