3. 「糖尿病」という病名と糖尿病への偏見
2021.03.15
特集■糖尿病:社会的スティグマへのアドボカシー活動の現状―糖尿病とともに無理なく不利なく暮らせるために―
3. 「糖尿病」という病名と糖尿病への偏見
Vol.38 No.2(2021年3・4月号)pp.169-174
3. 「糖尿病」という病名と糖尿病への偏見
Vol.38 No.2(2021年3・4月号)pp.169-174
庄嶋 伸浩 Shojima, Nobuhiro 山内 敏正 Yamauchi, Toshimasa
東京大学医学部附属病院 糖尿病・代謝内科
はじめに
2021 年は,インスリンが発見されて100 年目にあたる.死に至る病であった糖尿病が,インスリンの使用や治療法の進歩により,血糖値を良好に保つことで,健常人と同等に生存できることが明らかとなっている.一方で,糖尿病は生活習慣病であるとの認識から,患者本人の生活習慣の改善により病気が治癒するとの誤解があるために偏見を生んでいる.「糖尿病」という病名にある,排泄物である“尿”に否定的な印象があり,病名により不利益をこうむる可能性がある.
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