WHO、成人肥満治療におけるGLP-1受容体作動薬の使用に関する初の世界的ガイドラインを発表
2025.12.19
世界保健機関(WHO)は、成人肥満治療におけるGLP-1受容体作動薬の使用に関する初の世界的ガイドラインを発表した。本ガイドラインでは、成人肥満に対するGLP-1受容体作動薬の長期使用を「条件付き」で推奨している。またGLP-1療法単独ではなく食事・運動といった生活習慣改善との併用が合わせて推奨されている。

肥満は世界で10億人以上が罹患しており、2024年には肥満関連死亡は370万人に達している。WHOは深刻な公衆衛生上の課題と捉え、肥満を慢性再発性疾患と定義。GLP-1受容体作動薬による肥満治療に関するガイドラインを策定した。
本ガイドラインでは、以下2点が推奨事項として挙げられている。
- 成人肥満(BMI30以上と定義)に対する長期治療(6ヵ月以上)としてGLP-1受容体作動薬(セマグルチド、リラグルチド、チルゼパチド)が使用されうる
- GLP-1受容体作動薬による肥満治療には、運動・食事を含む集中的行動療法が併用されうる
なおガイドラインでは、上記2点ともに「条件付き推奨」とされている。長期的な有効性と安全性、治療の中止・維持に関するデータが限定的であること、さらに高額なコストや医療システムの受け入れ態勢、公平性の懸念が残ることがその理由となっている。
ガイドラインはホームページ上で公開されている。内容の詳細はそちらを参照のこと。
[ 糖尿病リソースガイド編集部 / 日本医療・健康情報研究所 ]



