WHO、妊娠中の糖尿病管理に関する初の世界的ガイドラインを発表
2025.12.17
世界保健機関(WHO)は11月17日、妊娠中の糖尿病管理に関する初の世界的ガイドラインを発表した。WHO事務局長のテドロス・アダノム氏は、「WHOはこれまでも糖尿病や妊娠に関するガイダンスを提示してきたが、妊娠中の糖尿病管理に特化した標準治療を示すのは今回が初である」とし、本ガイドラインの内容が、女性の生活実態に即したエビデンスに基づく重要な治療戦略であることを強調している。

WHOの発表によると糖尿病は、妊娠の約6分の1にあたる年間2,100万人の女性が罹患する疾患であるという。妊娠中の糖尿病は、適切な管理がなされない場合、妊娠高血圧症候群、死産、分娩時損傷といった周産期リスクに加え、母児双方の将来的な2型糖尿病や心血管疾患のリスクを上昇させることが知られている。特に、専門的医療へのアクセスが限られる低・中所得国での負担が最も大きく、本ガイドラインはこうした地域格差の是正も視野に入れている。
今回ガイドラインで策定された27の推奨事項では、単なる血糖管理にとどまらず、以下の4つの柱を中心とした包括的なアプローチを求めている。
- 個別ケア(Individualized care)
食事療法、身体活動、血糖値目標について、画一的な指導ではなく、患者個々の病態や生活背景に応じたアドバイスを行う。 - 最適なモニタリング(Optimal monitoring)
糖尿病を有するすべての妊娠女性に対し、医療機関での測定に加え、自宅での定期的な血糖自己測定(SMBG)を推奨する。 - 一人ひとりに最適な治療(Personalized treatment)
1型糖尿病、2型糖尿病、および妊娠糖尿病(GDM)のそれぞれに適した投薬レジメンを適用する。 - 専門的な支援(Specialized support)
既存の糖尿病を有する妊娠女性に対し、多職種連携によるケアを提供する。
ガイドラインはWHOのホームページで公開されている。内容の詳細はそちらを参照のこと。
[ 糖尿病リソースガイド編集部 / 日本医療・健康情報研究所 ]




