閉経の時期やタイプは糖尿病リスクと関連しない

2026.02.02
閉経年齢が早い場合や外科的閉経であっても、糖尿病発症リスクの有意な上昇は認められないとする研究結果が報告された。エルチェ・ミゲル・エルナンデス大学(スペイン)のJose Antonio Quesada氏らの研究によるもので、詳細は「Menopause」に1月13日掲載された。

 45歳未満の早期閉経は、冠動脈疾患や脳卒中のリスクの高さと関連することが報告されている。また、閉経後女性は自然閉経か外科的閉経かにかかわらず、糖代謝異常のリスクが上昇する。さらに、早期閉経および40歳未満での早発閉経の女性が糖尿病を有すると、心血管疾患ハイリスクとなることが知られている。しかし、早期閉経や早発閉経が糖尿病の発症リスク上昇と関連しているのかという点については、いまだ強力なエビデンスが得られていない。これを背景としてQuesada氏らは、英国の一般住民対象大規模疫学研究であるUKバイオバンクのデータを用いた検討を行った。

 閉経に関するデータのない女性、および、閉経前に糖尿病と診断されていた女性などを除外した14万6,764人を解析対象とした。平均年齢は60歳(範囲40~71)で、閉経年齢は45歳以降が81.9%、40~45歳が14.3%、40歳未満が3.8%であり、全体の5.5%が外科的閉経だった。中央値14.8年(平均14.5年)の追跡で、6,598人が糖尿病を発症した(累積発症率4.5%、1,000人年当たり3.1)。糖尿病患者の94%は2型であり、1%が1型で、残りの5%は病型が特定されていなかった。

 交絡因子を考慮しない粗モデルにおける糖尿病リスクは、45歳以上での閉経に比べて早期閉経(ハザード比〔HR〕1.188〔95%信頼区間1.116~1.264〕)や早発閉経(HR1.521〔同1.380~1.677〕)では高く、また自然閉経に比べて外科的閉経で高かった(HR1.412〔同1.297~1.537〕)。年齢調整モデルでも同様に、早期閉経や早発閉経、外科的閉経では糖尿病リスクの有意な上昇が認められた。しかし、年齢以外の交絡因子(BMI、ウエスト周囲長、併存疾患、飲酒量、野菜・食塩・添加糖摂取量、家族歴、教育歴、主観的健康観、血圧、血清脂質、HbA1cなど)も調整したモデルでは、早期閉経(HR1.005〔0.946~1.066〕)、早発閉経(HR0.971〔0.880~1.071〕)、外科的閉経(HR1.012〔0.916~1.117〕)のいずれも、有意なリスク上昇を示さなかった。

 この研究結果について、米国に拠点を置く更年期学会(The Menopause Society〔旧:北米更年期学会〕)のメディカルディレクターであるStephanie Faubion氏は、「閉経後女性は糖尿病のリスクが高いものの、閉経年齢や閉経のタイプとは関係がなく、一方で生活習慣や心血管系のリスク因子と関連していることを示唆している」と論評。また、「閉経年齢は変えることができないが、高血圧や脂質異常などの心血管系リスク因子は管理可能であり、また生活習慣も変更可能であることは、安心材料と言えるだろう」と付け加えている。

[HealthDay News 2026年1月21日]

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