1型糖尿病と膀胱がんリスクとの関連がメタ解析で明らかに

膀胱がんの既知のリスク因子として、労働環境での芳香族アミンへの暴露、および喫煙が知られている。ただし対策の強化によって、それらに起因する膀胱がんは減少傾向にあり、未知のリスク因子の探索が疫学研究上の優先事項となっている。そうしたなか近年、糖尿病と膀胱がんリスクとの関連が注目されている。ただし、1型糖尿病と2型糖尿病では病因や治療法が異なるため、膀胱がんとの関連性も異なる可能性がある。しかしこれまでの研究は、2型糖尿病のみを検討対象としているか、もしくは糖尿病の病型を区別せずに検討しており、1型糖尿病と膀胱がんリスクとの関連性は明らかでない。
Bennett氏らは、システマティックレビューとメタ解析のための優先報告項目(PRISMA)ガイドラインに準拠して、PubMed、Embase、Cochrane Library、Web of Scienceを用いた文献検索と解析を行った。各データベースの開始から2024年4月12日までに収載された論文を検索し、重複削除後のスクリーニング、全文精査を経て9件の研究報告を抽出。これらの研究は1972~2016年にわたり報告されており、合計19万人以上の1型糖尿病患者が含まれ372人の膀胱がん新規症例が記録されていた。
9件のうち8件は喫煙歴を交絡因子として考慮しておらず、それらの報告のランダム効果モデルによる解析では、1型糖尿病は膀胱がんの有意なリスク因子として特定されなかった(統合リスク比〔RR〕1.12〔95%信頼区間0.89~1.41〕)。次に、喫煙歴を考慮していた研究報告のデータを援用し、8件の研究における喫煙歴の影響を残余交絡として統計学的にコントロールした解析を実施した。
その結果、9件の研究全体で、1型糖尿病患者の膀胱がんリスクが約4倍高いという有意な関連が示された(RR4.29〔同2.45~7.47〕)。また、性別はこの関連性の強さを修飾しないと考えられた(解析対象研究における女性の割合が10パーセントポイント高い場合、効果量のオッズ比が1.00〔95%信頼区間0.96~1.04〕)。
論文の上席著者である同大学のVictoria K. Cortessis氏は、「先行研究の多くが喫煙歴を交絡因子として適切に扱っていなかった。この点を考慮した解析の結果、1型糖尿病患者は膀胱がんのリスクが有意に高いことを示す、極めて明確な関連が見いだされた」と総括している。
[HealthDay News 2025年12月1日]
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