SGLT2阻害薬が肥満2型糖尿病における体重減少と肥満関連健康障害を改善 大阪大学ら

肥満は、高血糖、脂質異常症、高血圧、高尿酸血症、動脈硬化、腎機能障害、心機能障害、肝機能障害など、さまざまな健康障害の起因となりうる。「肥満症診療ガイドライン2022」では、糖尿病などの健康障害を有するBMI 25kg/m2以上35kg/m2未満の肥満症に対して、現体重の3%以上の減量を目標とし、食事療法・運動療法を行ったうえで、薬物療法も考慮することになっている。SGLT2阻害薬のトホグリフロジンは血糖低下作用に加え、体重減少作用を有することが知られているが、肥満に起因する各種健康障害に対する効果を網羅的に検討した報告はこれまでほとんどなかった。
研究グループは、2016年に研究者主導臨床研究であるUTOPIA研究を開始し、日本人2型糖尿病患者340名を対象に「SGLT2阻害薬であるトホグリフロジン」と、「SGLT2阻害薬以外の従来の糖尿病治療薬」の有効性・安全性を比較検討した。今回、研究参加者のうちBMI 25kg/m2以上の肥満2型糖尿病患者210名を対象として事後解析を行った。
その結果、BMI 25kg/m2以上の肥満2型糖尿病患者がトホグリフロジンを104週間(約2年間)服薬することにより、6割以上の患者が3%以上の体重減少を達成していた。さらに、従来のSGLT2阻害薬以外の糖尿病治療薬を服薬した患者と比較して、トホグリフロジンを服薬した患者のほうが血糖値、血圧、肝機能検査値、HDLコレステロール、尿酸、QOLが改善し、血管硬化の指標であるPWVの悪化が抑制された。
本研究成果により、SGLT2阻害薬・トホグリフロジンが肥満2型糖尿病患者のQOLを改善し、肥満に関連する健康障害改善の選択肢となり得ることが示唆された。
本研究は、大阪大学大学院医学系研究科の講師 片上直人氏、教授 下村伊一郎氏、順天堂大学大学院医学研究科の准教授 三田智也氏、教授 綿田裕孝氏らの共同研究グループにより実施された。研究成果は、国内科学誌「Diabetology International」に2025年8月18日付でオンライン掲載された。





