チルゼパチド、2型糖尿病治療において「食事療法の満足感」も改善 秋田大学ら

2型糖尿病治療薬のチルゼパチドは、強い食欲抑制作用をもつ。本研究では、秋田大学医学部附属病院と中通総合病院でチルゼパチド治療を受けた2型糖尿病患者95名を対象に、同剤が食事関連のQOLや糖尿病治療の満足度にどのような影響を与えるか調べた。
その結果、HbA1cは7.4%から6.4%へ、体重は77.2kgから70.6kgへと改善した一方で、「食事療法の受益感(食事療法をすることによって自分の健康や糖尿病の治療に役立っていると感じる度合い)」が有意に向上していた。さらに統計解析の結果、「食事療法の受益感」の改善は、体重減少と同程度、糖尿病の治療満足度の高さに関係していることがわかった。
この結果について研究グループは、チルゼパチドは食欲を抑える作用をもつが、患者は「食事の楽しみが減る」と感じるのではなく、「食事療法によって健康的で糖尿病に良い影響がある」と前向きに感じていることを示すものであるとし、患者のQOL向上と糖尿病治療を長く続ける上で大きな意味をもつものであると述べている。
本研究は、秋田大学医学部附属病院総合臨床教育研修センターの加藤俊祐氏、糖尿病・内分泌内科の脇裕典氏らにより実施され、研究成果は国際糖尿病連合機関誌「Diabetes Research and Clinical Practice」に掲載された。





