「インスリン イコデク」が欧州委員会より承認勧告 初の週1回注射の基礎インスリン製剤 非劣性と優越性を検証 ノボ

2024.03.28
 ノボ ノルディスクは、週1回投与のBasalインスリン イコデク(海外販売名は「Awiqli」)について、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)が、承認を勧告する肯定的見解を採択したと発表した。同社は、2ヵ月以内の欧州委員会による最終的な承認の取得を見込んでいる。

 「インスリン イコデク」(Awiqli)は、1回の皮下注射により1週間にわたり必要なBasalインスリン量をまかなえるよう設計された週1回投与のBasalインスリンアナログ製剤。

週1回注射の基礎インスリン製剤を開発 従来の1日1回投与の基礎インスリンに対する非劣性と優越性を検証

 CHMPの肯定的見解は、ONWARDS第3a相臨床試験プログラムの結果にもとづいている。ONWARDSは、1型糖尿病あるいは2型糖尿病の成人患者4,000例以上を対象とした週1回投与のインスリン イコデクの有効性および安全性を検討した6つのグローバル第3a相臨床試験で構成され、実臨床の要素を導入した試験も含んでいる。

 2型糖尿病患者で、週1回投与のインスリン イコデクの、1日1回投与のBasalインスリンに対するHbA1cでの非劣性および優越性が検証され、Time in Range(推奨血糖範囲内で過ごした時間)での優越性が検証された。インスリン治療歴のない2型糖尿病患者で、週1回投与のインスリン イコデクと対照薬のいずれでも、臨床的に問題となるあるいは重大な低血糖の全般的な発現率は、1件/人・年未満だったとしている。

 1型糖尿病患者では、週1回投与のインスリン イコデクは、インスリン デグルデクと比較して、重大な低血糖あるいは臨床的に問題となる低血糖の推定発現率が統計学的に有意に高かったものの、HbA1cの変化量については非劣性が検証された。

 この臨床試験プログラム全体を通して、週1回投与のインスリン イコデクの安全かつ良好な忍容性が示されたとしている。

 「Awiqliは、Basalインスリン注射の回数を週7回から週1回に減らすことで、糖尿病のある方に大きな影響を与え、治療を改善する可能性があると信じている。私たちは、糖尿病治療でのイノベーションを推進することに全力を注いでおり、Awiqliは、インスリン治療を開始する2型糖尿病のある方にとって、選ばれるインスリン製剤となる可能性を秘めている」と、同社では述べている。

関連情報

[ TERAHATA / 日本医療・健康情報研究所 ]

糖尿病・内分泌プラクティスWeb 糖尿病・内分泌医療の臨床現場をリードする電子ジャーナル

スポーツとメンタルヘルス関連ホルモン 骨格筋ホルモンの代謝への影響・関連
糖尿病合併高血圧のマネージメント CKD合併高血圧のマネージメント(生活習慣修正・降圧薬治療) 本態性高血圧と血管調節異常、神経調節異常、ナトリウム調節異常 内分泌性二次性高血圧アップデート
肥満の外科治療-減量・代謝改善手術の最新エビデンス- 甲状腺結節の診断・経過観察の最新エビデンス 原発性アルドステロン症治療の最新エビデンス
糖尿病の各薬剤を処方する時に最低限注意するポイント(経口薬) 糖尿病関連デジタルデバイスのエビデンスと使い方 血糖推移をみる際のポイント!~薬剤選択にどう生かすか~ 1型糖尿病の治療選択肢(インスリンポンプや持続血糖測定器など)
タンパク質とアミノ酸の代謝 脂質の代謝 糖代謝の調節機構

医薬品・医療機器・検査機器

糖尿病診療・療養指導で使用される製品を一覧で掲載。情報収集・整理にお役立てください。

一覧はこちら

最新ニュース記事

よく読まれている記事

関連情報・資料