経口GLP-1受容体作動薬・オルホルグリプロン、注射製剤からの切り替え後も体重減少を維持 イーライリリー

2026.01.08
イーライリリー・アンド・カンパニーは12月18日、肥満症治療薬として開発中の経口GLP-1受容体作動薬・オルホルグリプロン(orforglipron)について、第3相臨床試験「ATTAIN-MAINTAIN試験」の結果を発表。注射製剤(セマグルチド、チルゼパチド)で減量を達成した患者において、オルホルグリプロンに切り替え後も体重減少の維持効果が確認されたと報告した。また同社は、肥満または過体重の成人に対する治療薬として米国食品医薬品局(FDA)へ承認申請を行ったことも合わせて発表した 。

 オルホルグリプロンは、イーライリリーが現在開発中の1日1回投与の経口非ペプチド型GLP-1受容体作動薬。時間を問わず、飲食および飲水の制限なく服用が可能となっている。

 ATTAIN-MAINTAIN試験は、52週間の第3相無作為化二重盲検プラセボ対照試験。先行して実施された「SURMOUNT-5試験」において、セマグルチドまたはゼップバウンド(チルゼパチド)の最大耐用量による72週間の治療を完了した肥満または過体重の成人を対象として、体重減少の維持を目的とするオルホルグリプロン1日1回投与の有効性と安全性をプラセボと比較した。

 本試験では、米国の参加者376名を3:2の割合で無作為化し、オルホルグリプロンの最大耐用量(24mgまたは36mg)またはプラセボに割り付けた。参加者は食事療法および運動療法とともに試験薬の投与を受けた 。

 主要評価項目は、SURMOUNT-5試験で体重減少がプラトーに達した参加者における体重減少効果について、オルホルグリプロンがプラセボとの比較で優越性を示すこととした。体重減少のプラトーは、SURMOUNT-5試験の60~72週時に体重の変化が5%未満となることと定義した。本試験では、オルホルグリプロンの1回12mg (またはプラセボ)の1日1回投与から開始し、36mgまたは最大耐用量(24mgまたは36mg)に至るまで4週間隔で増量した。SURMOUNT-5試験から体重が50%以上戻った参加者の全員に対して、オルホルグリプロンの最大耐用量によるレスキュー治療を行った。

 結果、SURMOUNT-5試験で体重減少がプラトーに達した参加者において、オルホルグリプロンは主要評価項目である体重減少の維持率でプラセボとの優越性を達成した。投与52週時の分析では、有効性estimandを用いた評価において、セマグルチドからオルホルグリプロンに切り換えた参加者はそれまでに達成した体重減少を維持し、差の平均は0.9kgであった。ゼップバウンドからオルホルグリプロンに切り換えた参加者はそれまでに達成した体重減少を維持し、差の平均は5.0kgであった。

 プラセボ群の参加者でオルホルグリプロンによるレスキュー治療が開始可能となる投与24週時の事後解析では、本試験のベースライン時点からの体重変化は、セマグルチドからオルホルグリプロンに切り換えた参加者では-0.1kg、プラセボに切り換えた参加者では9.4kgであった。同様に、ゼップバウンドからオルホルグリプロンに切り換えた参加者ではベースラインからの体重の変化は2.6kg、プラセボに切り換えた参加者では9.1kgであった。

 安全性および忍容性については、これまでに実施されたオルホルグリプロンの第3相試験と同様のプロファイルを示した。最も高頻度に認められた有害事象は消化器系事象であり、そのほとんどは軽度から中等度であった 。有害事象により試験治療を中止した参加者の割合は、4.8% (セマグルチドからオルホルグリプロンへの切り替え)、7.6%(セマグルチドからプラセボへの切り替え)、7.2%(ゼップバウンドからオルホルグリプロンへの切り替え)、6.3% (ゼップバウンドからプラセボへの切り替え)であった。肝臓に関連する安全性シグナルは認められなかった 。

 同社のエグゼクティブ・バイスプレジデント・Kenneth Custer氏は、本結果について「本試験により、1日1回の経口薬であるオルホルグリプロンが、努力して減らした体重の維持に寄与することが示された。また参加者は注射薬から経口薬へ直接切り替えることができた。本剤が承認されれば、世界中の何百万人もの患者にとって、長期的な健康維持のための使いやすい選択肢となる可能性がある」と述べている 。

 なお本剤は、肥満症治療薬としての開発に加え、2型糖尿病治療薬としても第3相試験が進行中となっている。

[ 糖尿病リソースガイド編集部 / 日本医療・健康情報研究所 ]

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