2型糖尿病男性の心血管イベントリスクに性ホルモンが関連

T2DM患者は性別にかかわらずCVイベントリスクが高いが、女性患者は男性患者に比較してより糖尿病の影響を強く受け、非糖尿病者とのリスク差が大きいことが知られている。このようなT2DMに伴うCVリスクの性差に関する生物学的要因は、まだ十分解明されていない。この点についてGisinger氏らは、米国で行われた過体重・肥満併発T2DM患者に対する生活習慣介入の有効性を検証したLook AHEAD研究の追跡データを用いた検討を行った。
解析対象は男性T2DM患者および閉経後の女性T2DM患者、計2,260人。ベースライン時と介入1年後に、血中テストステロン、エストラジオール、および、体内でのホルモンの生物学的活性に影響を与えるSHBGを測定。その後約12年間にわたり、CVイベントの発生を追跡した。
まず、ベースラインデータとCVイベントリスクとの関連を解析すると、男性患者ではベースラインの総テストステロンが高いほど追跡期間中のイベントリスクが低いという関連が見られた(ハザード比〔HR〕0.74〔95%信頼区間0.56~0.97〕)。しかし女性患者では性ホルモンとCVイベントリスクとの有意な関連が認められなかった。
次に、ベースラインから1年後の体重およびSHBGの変化とCVイベントリスクとの関連を解析すると、男性では複数の関連が認められた。例えば、体重が7%以上減少した男性では、SHBGの上昇がイベントリスクと逆相関していた(HR0.47〔同0.26~0.85〕)。その一方で体重減少幅が7%未満の男性では、エストラジオールの上昇がイベントリスクと正相関していた(エストラジオール第2三分位群と第1三分位群の比較でHR1.64〔1.13~2.38〕、第3三分位群と第1三分位群の比較ではHR1.88〔1.29~2.73〕)。しかし女性患者ではやはり、このような有意な関連が示されなかった。
論文の上席著者である米ジョンズ・ホプキンス大学のWendy Bennett氏は、「この研究結果は、糖尿病患者における既知のCVリスク因子(喫煙やコレステロール値など)に加えて性ホルモンを評価することが、イベント予測能にどのような影響を及ぼすのかという理解を深めるのに役立つ。また今後、臨床医が心臓病予防戦略の個別化を進めていく際にも有用な知見と言える」と述べている。
なお、2人の著者がバイオ医薬品企業との利益相反(COI)に関する情報を開示している。
[HealthDay News 2026年2月4日]
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