阿部雅紀先生インタビュー『かかりつけ医と腎臓専門医が“一緒に診るCKD診療”を!12年ぶり改訂の「CKD診療ガイド2024」のトピック』を公開
※Shared Decision Making
協力:株式会社ヴァンティブ
12年ぶりに改訂された「CKD診療ガイド2024」のトピックを中心に
年々、増加傾向にある慢性腎臓病。糖尿病はその代表的原因疾患であり、1998年以降、糖尿病性腎症が透析導入となる原因の第一位となっている。この状況を受けて開設した慢性腎臓病の特集コーナー(2024年6月開設)において、日本大学医学部内科学系 腎臓高血圧内分泌内科学分野 主任教授である阿部雅紀先生のインタビュー記事(第1回:新規治療薬を使ってCKDを診る)を新たに公開した。
2024年「CKD診療ガイド」が12年ぶりに改訂されたが、阿部先生はその改訂委員を務めている。今回のインタビューではCKDに有用な新薬が多数登場した現在、日常診療の中でCKD診療にどのように取り組めばよいかについて、最新版「CKD診療ガイド」の注目すべきポイントと共に伺った。
薬剤の使い分けや注意点等、CKD患者を診るかかりつけ医のリスキリングに
本記事は2回連続となり、今回公開する第1回は薬剤のお話が中心。以下、記事の一部を引用する。
<<この12年の間には、CKDに有用な新たな薬剤がいくつも登場しています。CKD診療ガイド2012年版では、糖尿病性腎症の患者さんには蛋白尿の改善と腎機能低下を軽減する効果があるACE 阻害薬やARB (RAS阻害薬)が第一選択薬とされています。2024年版では、これに新しく登場したSGLT2阻害薬と、MRA(非ステロイド型ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬・MR拮抗薬)が加わりました。
これら薬剤の使い分けは、どの観点で見るかで異なります。
糖尿病患者さんに高血圧があり蛋白尿が出ていれば、RAS阻害薬を使って血圧の管理を始めます。RAS阻害薬を投薬しても蛋白尿がまだ残っている場合は、SGLT2阻害薬を追加します。SGLT2阻害薬はもともと血糖降下剤で糖尿病の治療薬ですが、蛋白尿を減らしてGFRの保持が期待でき、腎臓領域においてはむしろ腎保護効果が注目されています。そして高齢患者さんにも使うことができます。>>
(続きは下記リンク先から、無料で閲覧できます)
●集中連載インタビュー
『かかりつけ医と腎臓専門医が“一緒に診るCKD診療”を!12年ぶり改訂の「CKD診療ガイド2024」のトピック』(第1回:新規治療薬を使ってCKDを診る)』
日本大学医学部 内科学系腎臓高血圧内分泌内科学分野 主任教授
阿部雅紀 先生
<第1回『新規治療薬を使ってCKDを診る』内容>
- 「CKD診療ガイド」「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン」の違い
- 「CKD診療ガイド2024」の改訂ポイント
- CKDなのにCKDと診断されていない患者さんがいる
- SGLT2阻害薬とMR拮抗薬(MRA)の使い方
- SGLT2阻害薬の留意点
- 高カリウム血症に注意が必要なMRA
- 腎性貧血治療薬に経口薬が登場
<阿部雅紀 先生プロフィール>
日本大学医学部1997年卒。2007年日本大学医学部腎臓高血圧内分泌内科助教、日本大学医学部付属練馬光が丘病院透析室長。2014年日本大学医学部内科学系腎臓高血圧内分泌内科学分野准教授。2016年から主任教授。日本大学医学部附属 板橋病院では腎臓・高血圧・内分泌内科 部長、透析室室長。慢性腎臓病に対する腎代替療法(血液透析、腹膜透析)、急性血液浄化療法、アフェレーシス治療を得意とする。主な認定医に日本内科学会認定内科医・総合内科専門医、日本腎臓学会専門医・指導医、日本透析学会専門医・指導医、日本循環器学会専門医。今回取り上げた「CKD診療ガイド2024」「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023」では改訂委員も務めた。
腎臓病に関する資料が無料でダウンロード可能
本特集では、インタビュー記事の他、腎臓病の治療や診療支援に役立つ以下の資料が入手できるページも設置。無料でダウンロードできるので、ぜひ利用してほしい。
- 『かかりつけ医も取り組む腹膜透析診療 岡本 卓 先生(愛し野内科クリニック 院長)』
- 『かかりつけ医も取り組む腹膜透析診療 佐藤克哉 先生(猿払村国民健康保険病院 院長JSPD連携認定医)』
- 『腎不全 治療選択とその実際2023』
- 『腎臓病 あなたに合った治療法を選ぶために』
- 『あなたの腎臓を守るために』
- 『腎不全治療説明用下敷き(A3版)』
本特集コーナーは今後さらにコンテンツを充実させ、様々な情報を届ける予定である。
また、本特集は糖尿病リソースガイド内のコーナーだが、患者向けに糖尿病ネットワークでも腎臓病の特集コーナー『腎臓の健康道~つながって知る、人生100年のKidney Journey~』を設けており、引き続き医療者側と患者側の双方で腎臓病に対する知識の底上げができるよう図っていく。