スマートインスリンペン「ノボペン6」「ノボペン エコー プラス」が承認取得 スマホと連携しインスリン投与データを経時的に記録し、振り返ることができる
海外では血糖値の正常範囲内時間が1日2時間増加したという報告も
「ノボペン6」「ノボペン エコー プラス」は、インスリン投与データを自動的に記録し、スマートフォンと連携することで、患者が自身のインスリン投与データを経時的に記録し、振り返ることができるスマートインスリンペン。
これにより、医療従事者との話し合いを充実させ、より良い治療効果と長期的な転帰に結びつけるための用量調整の支援が可能になる。また、血糖値やグルコース値が記録できる糖尿病管理アプリと組み合わせることで、患者と医療従事者が糖尿病管理に必要な情報を容易に入手することが可能になる。
・ 注射機能とは別*に「最後に注入ボタンを押したときの設定単位数およびそのときからの経過時間」を、最大99時間59分59秒まで表示可能。
・ 直近800回の注入ボタンを押した履歴を本体内部に自動記録。
・3mLのペンフィルカートリッジで販売されている5種類のインスリンアナログ製剤(フィアスプ注、ノボラピッド注、トレシーバ注、レベミル注、ノボラピッド30ミックス注)が使用可能。
・ アークレイ株式会社 スマートe-SMBG
・ アボットFreeStyleリブレLink (間歇スキャン式持続グルコースモニタリングシステム用アプリケーション)
・H2株式会社 シンクヘルス
・mySugr Gmbh糖尿病管理アプリmySugr (マイシュガー) 日本語版
「糖尿病患者のQOLを維持・改善させ、非糖尿病者との寿命の差を短縮させるためには、個々の患者の病態と患者のおかれているさまざまな状況を考慮した“個別化医療の推進”が不可欠である」とされている。
長年にわたるインスリン製剤のイノベーションにもかかわらず、糖尿病患者は今なおインスリンの投与を手入力で記録しており、血糖値が正常範囲内にとどまる時間は、平均して1日当たり約12時間ほどだという報告がある。
「ノボペン6」を使用して実施されたスウェーデンの研究結果によると、1型糖尿病の患者で血糖値を正常範囲内に維持できる時間が1日当たり平均で約2時間増加した。
「インスリン発見100周年である2021年に、日本で2種類のスマートインスリンペンの承認が得られたことを大変嬉しく思います。これらは日本で初めて承認されたスマートインスリンペンです。ノボペン6、ノボペン エコープラスにより、インスリンの打ち忘れ軽減やアドヒアランスの改善などが見込めることで、糖尿病患者の治療効果を高める可能性があると考えられています」と、同社では述べている。
「ノボペン6」「ノボペン エコー プラス」は、これまでEU(2018年6月) およびカナダ(2020年11月)で承認され、スウェーデン(2021年3月)、デンマーク(2021年5月)で発売されている(2021年6月24日現在)。日本では、2022年上半期に発売される予定。
Validation of Time in Range as an Outcome Measure for Diabetes Clinical Trials(Diabetes Care 2019年3月)
Increased Time in Range and Fewer Missed Bolus Injections After Introduction of a Smart Connected Insulin Pen(Diabetes Technology & Therapeutics 2020年3月11日)
Smart pens will improve insulin therapy(Journal of Diabetes Science and Technology 2018年2月7日)
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