スマートインスリンペン「ノボペン6」「ノボペン エコー プラス」が承認取得 スマホと連携しインスリン投与データを経時的に記録し、振り返ることができる

2021.06.28
 ノボ ノルディスク ファーマは、スマートインスリンペン「ノボペン6」「ノボペン エコー プラス」について、6月24日に厚生労働省より承認を取得したと発表した。

海外では血糖値の正常範囲内時間が1日2時間増加したという報告も

 「ノボペン6」「ノボペン エコー プラス」は、インスリン投与データを自動的に記録し、スマートフォンと連携することで、患者が自身のインスリン投与データを経時的に記録し、振り返ることができるスマートインスリンペン。

 これにより、医療従事者との話し合いを充実させ、より良い治療効果と長期的な転帰に結びつけるための用量調整の支援が可能になる。また、血糖値やグルコース値が記録できる糖尿病管理アプリと組み合わせることで、患者と医療従事者が糖尿病管理に必要な情報を容易に入手することが可能になる。

「ノボペン6」「ノボペン エコー プラス」の特徴
・ 注入ボタンを押した履歴をNFC対応のスマートフォンアプリに無線転送可能。
・ 注射機能とは別*に「最後に注入ボタンを押したときの設定単位数およびそのときからの経過時間」を、最大99時間59分59秒まで表示可能。
・ 直近800回の注入ボタンを押した履歴を本体内部に自動記録。
・3mLのペンフィルカートリッジで販売されている5種類のインスリンアナログ製剤(フィアスプ注、ノボラピッド注、トレシーバ注、レベミル注、ノボラピッド30ミックス注)が使用可能。
*安全性を重視し、メモリー表示機能と注射機能を独立させている。

「ノボペン6」「ノボペン エコー プラス」と連携する糖尿病管理アプリ
 以下のアプリケーションとの連携を予定している。
・ アークレイ株式会社 スマートe-SMBG
・ アボットFreeStyleリブレLink (間歇スキャン式持続グルコースモニタリングシステム用アプリケーション)
・H2株式会社 シンクヘルス
・mySugr Gmbh糖尿病管理アプリmySugr (マイシュガー) 日本語版

 「糖尿病患者のQOLを維持・改善させ、非糖尿病者との寿命の差を短縮させるためには、個々の患者の病態と患者のおかれているさまざまな状況を考慮した“個別化医療の推進”が不可欠である」とされている。

 長年にわたるインスリン製剤のイノベーションにもかかわらず、糖尿病患者は今なおインスリンの投与を手入力で記録しており、血糖値が正常範囲内にとどまる時間は、平均して1日当たり約12時間ほどだという報告がある。

 「ノボペン6」を使用して実施されたスウェーデンの研究結果によると、1型糖尿病の患者で血糖値を正常範囲内に維持できる時間が1日当たり平均で約2時間増加した。

 「インスリン発見100周年である2021年に、日本で2種類のスマートインスリンペンの承認が得られたことを大変嬉しく思います。これらは日本で初めて承認されたスマートインスリンペンです。ノボペン6、ノボペン エコープラスにより、インスリンの打ち忘れ軽減やアドヒアランスの改善などが見込めることで、糖尿病患者の治療効果を高める可能性があると考えられています」と、同社では述べている。

 「ノボペン6」「ノボペン エコー プラス」は、これまでEU(2018年6月) およびカナダ(2020年11月)で承認され、スウェーデン(2021年3月)、デンマーク(2021年5月)で発売されている(2021年6月24日現在)。日本では、2022年上半期に発売される予定。

ノボ ノルディスク ファーマ

Validation of Time in Range as an Outcome Measure for Diabetes Clinical Trials(Diabetes Care 2019年3月)
Increased Time in Range and Fewer Missed Bolus Injections After Introduction of a Smart Connected Insulin Pen(Diabetes Technology & Therapeutics 2020年3月11日)
Smart pens will improve insulin therapy(Journal of Diabetes Science and Technology 2018年2月7日)

関連情報

[ TERAHATA / 日本医療・健康情報研究所 ]

糖尿病・内分泌プラクティスWeb 糖尿病・内分泌医療の臨床現場をリードする電子ジャーナル

脂質異常症の食事療法のエビデンスと指導 高TG血症に対する治療介入を実践 見逃してはいけない家族性高コレステロール血症
SGLT2阻害薬を高齢者でどう使う 週1回インスリン製剤がもたらす変革 高齢1型糖尿病の治療 糖尿病治療と認知症予防 高齢者糖尿病のオンライン診療 高齢者糖尿病の支援サービス
GLP-1受容体作動薬の種類と使い分け インスリンの種類と使い方 糖尿病の経口薬で最低限注意するポイント 血糖推移をみる際のポイント~薬剤選択にどう生かすか~ 糖尿病関連デジタルデバイスの使い方 1型糖尿病の治療選択肢(インスリンポンプ・CGMなど) 二次性高血圧 低ナトリウム血症 妊娠中の甲状腺疾患 ステロイド薬の使い分け 下垂体機能検査
NAFLD/NASH 糖尿病と歯周病 肥満の外科治療-減量・代謝改善手術- 骨粗鬆症治療薬 脂質異常症の治療-コレステロール低下薬 がんと糖尿病 クッシング症候群 甲状腺結節 原発性アルドステロン症 FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症 褐色細胞腫

医薬品・医療機器・検査機器

糖尿病診療・療養指導で使用される製品を一覧で掲載。情報収集・整理にお役立てください。

一覧はこちら

最新ニュース記事

よく読まれている記事

関連情報・資料