【新型コロナ】抗菌技術「Hydro Ag+」を活用した環境清拭材が新型コロナウイルスの感染を抑制 富士フイルム
2020.11.19
富士フイルムは、同社独自の抗菌技術により除菌効果が長く持続する環境清拭材「Hydro Ag+アルコールクロス/スプレー(80%)」を用いた、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する効果を確認した評価試験で、99%以上のウイルスを不活化したという結果を得たと発表した。
1日2回の清拭を継続すれば20日後に99%以上のウイルス不活化を期待できる
「Hydro Ag+ アルコールクロス/スプレー(80%)」は、独自の抗菌技術「Hydro Ag+(ハイドロ エージープラス)」により、銀系抗菌剤と室温で硬化する超親水ポリマーがアルコール溶液中に安定的に分散されている環境清拭材。 同製品を使用すると、対象物がアルコール除菌されるとともに、対象物の表面に銀系抗菌剤を含む超親水コーティング層が形成され、アルコールが蒸発した後も除菌効果が持続する。 今回の評価試験は、帯広畜産大学との共同研究の一環で実施したもので、実験室内の条件下で行われた。同製品の液剤を、それぞれ20回・40回・60回塗布した3種類の試験フィルムを用意し、塗布20日経過後に以下の評価を実施した。 試験フィルムの液剤を塗布した面に新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)液を滴下し、その上に無加工のフィルムを被せて密着させ、室温で24時間静置。その後、SARS-CoV-2液を回収し、感染力をもつウイルス量の指標であるウイルス力価を算出。 ウイルス力価(ウイルス感染価)は、試料中に含まれる感染力をもつウイルス量のこと。対象群と比較した際のウイルス不活化率を示している。 その結果、液剤を40回および60回塗布した試験フィルムは、塗布20日後に99%以上のウイルス不活化が認められた。また、液剤を20回塗布した試験フィルムでも、塗布20日後に86%以上のウイルス不活化が認められた。 この結果から、たとえば、同製品で1日2回の清拭を継続すれば、対象物の表面に銀系抗菌剤を含む超親水コーティング層が日々塗り重ねられ、10日後には86%以上のウイルス不活化効果が出始め、20日後には99%以上のウイルスを不活化することが期待できるという。 同社は、「Hydro Ag+アルコールクロス/スプレー(80%)は、医療や介護の現場、一般家庭での環境清拭用途として活用でき、これを用いた環境清拭を継続的に実施することで、SARS-CoV-2の感染抑制の効果を期待できます」としている。 アルコールスプレー・シート Hydro Ag+ Ag+のチカラで持続除菌(富士フイルム)[Terahata / 日本医療・健康情報研究所]