糖尿病患者向け経済的支援を開始 COVID-19の影響で治療継続が難しくなった患者の医療費を支援 日本メドトロニック
2020.07.09
日本メドトロニックは、2020年7月1日より、同社ダイアビーティス事業部製品を使用して糖尿病治療を行う患者で、新型コロナウイルス感染症の影響により、本人または生計維持者が失業し治療の継続が難しい人を対象に、本人が支払い済みの医療費自己負担額の一部を支援する期間限定の施策を開始すると発表した。
メドトロニック製品を利用している糖尿病患者の治療継続を支援
日本メドトロニック ダイアビーティス事業部では、糖尿病治療に用いられるインスリンポンプ(CSII療法)、リアルタイムCGM機能搭載インスリンポンプ(SAP療法)、持続グルコースモニタ(CGM)などの製品を提供している。いずれも1型糖尿病などインスリン依存型の糖尿病患者が主に用いるデバイスの1つで、代替療法と比較し、良好な血糖コントロールを得られることが知られている。これらの製品は、日常生活の中で患者自身が管理し使用するものだ。 糖尿病は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染時に重症化するリスクが高い可能性があり、注意が必要であることが、日本糖尿病学会や米国糖尿病学会から報告されている。COVID-19の拡大が個人および社会経済に与える影響は甚大であり、糖尿病患者はさまざまな環境の変化に対応しながら、日々の血糖管理を行う必要がある。とくに治療法の変更は血糖コントロールを損なうおそれがあるだけでなく、日常生活への影響も通常時に比べて大きくなることがいっそう懸念されている。 「この施策を通じて治療継続を支援することにより、1人でも多くの糖尿病患者さんが安心して生活を送ること、そして早期に職を得て新しい一歩を踏み出す一助となることを期待しています。そして、COVID-19の1日も早い終息と、すべての糖尿病患者が平穏な生活を取り戻すことを心より願っております」と、同社では述べている。メドトロニック新型コロナウイルス感染症特別支援策の詳細
支援対象者(支援要件) |
---|
以下の各号の要件をすべて満たす方を対象とします。 1. 日本国政府が緊急事態宣言を発出した2020年4月7日以降において、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、ご本人またはその生計維持者(扶養者)が失業し、申請の時点で失業中であると認められる。 2. 1の緊急事態宣言発出日から失業時点までの期間、日本メドトロニック ダイアビーティス事業部(以下、メドトロニック)製品を使用しており、インスリンポンプ療法(CSII療法)、リアルタイムCGM機能搭載インスリンポンプ療法(SAP療法)、持続グルコースモニタ(CGM)のうち、いずれかの治療を医師の指導のもとで行っていた、または失業中の現在もなお継続して行っている。 3. メドトロニック製品****を継続して使用する意思があり、主治医が継続使用に同意している。 4. 申請の時点およびこの支援を受ける期間において、小児慢性特定疾病医療助成または生活保護法による医療扶助を受けていない。 |
申請受付期間 |
2020年7月1日(水)~2020年12月31日(木) ※電子メールでの受付のみとなります。2020年12月31日(木)23時59分までに受信した申込み分が有効です。 |
支援額 |
メドトロニック製品****を用いた各対象治療にかかる同社が指定する保険点数の医療費自己負担額相当(最大6ヵ月分の支援) |
申請方法等のご案内 |
支援対象者は、申請方法等のご案内(要綱)を以下まで電子メールにてご請求ください。 メドトロニック新型コロナウイルス感染症特別支援係 E-mail:rs.japandibcovid19relief@medtronic.com メール送信の翌営業日から起算し3営業日(土日祝除く)以内に、「メドトロニック新型コロナウイルス感染症特別支援要綱」を電子メールにてお送りいたします。 ※要綱のご請求の受付は、2020年12月15日(火)で終了いたします。 |
お問合せ先 |
メドトロニック新型コロナウイルス感染症特別支援係 E-mail:rs.japandibcovid19relief@medtronic.com ※その他の連絡先では、本件について受け付けておりません。 |
インスリンポンプ療法では、血糖を正常に保つために分泌されている少量のインスリン(基礎インスリン)を24時間連続的に注入し、さらに食事にあわせて必要なインスリン(追加インスリン)をボタン操作で注入することが可能。
インスリンポンプ療法は、血糖コントロールに有用で、さらに1日の注射回数を減らすことができる。またインスリンポンプは携帯することが可能で、スポーツ時や旅行などさまざまな趣味やライフスタイルに適応できると考えられる。 リアルタイムCGM機能搭載インスリンポンプ療法(SAP療法)
SAP(Sensor Augmented Pump)療法とは、リアルタイムCGM機能を搭載したインスリンポンプ療法のこと。CGMはContinuous Glucose Monitoring(持続グルコースモニタ)の略称で、専用のセンサを装着し、皮下間質液中のグルコース値を連続的に記録してその変動を見ることにより、血糖コントロールの指標となることが期待される。
これにより、(血糖自己測定によって確認した後に)適切に介入することで、患者の血糖値が目標血糖範囲内に留まる時間を延ばすことが期待されている。SAP療法では、インスリンポンプとともにCGMを装着しグルコース値を常にインスリンポンプ画面に表示することが可能だ。 持続グルコースモニタ(CGM:Continuous Glucose Monitoring)
CGMを使用するには、小型のセンサを腹部などの皮下に挿入する。小型の測定器をセンサに接続し、間質液中のグルコース濃度を測定し、その測定値は、モバイル機器などへ5分ごとに送信される。CGMは定期的な血糖自己測定では見逃される恐れのある高血糖と低血糖の検出を補助し、血糖の状況をより全体的に把握することが期待されている。
メドトロニックの持続グルコースモニタでは、スマートフォンなどのモバイル機器を利用した皮下間質液中グルコース値の変動確認に加え、予測アラートなどの通知機能により、低血糖や高血糖に至る可能性がある場合に、患者に音やバイブレーションで知らせることで、いち早くこれらの事象に患者自身が対応できることが期待される。
また、SMSテキストメッセージによるアラート通知が可能で、患者本人だけでなくご家族や医療従事者も、携帯電話を通じて、予測アラート通知を受け取ることができる。
[Terahata / 日本医療・健康情報研究所]