メトホルミンでは血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者でビクトーザが血糖コントロール期間を長期化
2020.06.24
第80回米国糖尿病学会(ADA2020)
ノボ ノルディスクは、メトホルミンでは血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者で、GLP-1受容体作動薬「ビクトーザ」が経口血糖降下薬と比較して、血糖コントロール期間を有意に長期化することが実証されたと発表した。
ノボ ノルディスクは、メトホルミンでは血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者で、GLP-1受容体作動薬「ビクトーザ」が経口血糖降下薬と比較して、血糖コントロール期間を有意に長期化することが実証されたと発表した。
血糖コントロール期間を有意に長期化 プライマリケアでの実臨床を反映した試験
ノボ ノルディスクは、第80回米国糖尿病学会(ADA)で、LIRA-PRIME(プライマリケアで実施した実臨床を反映した無作為化臨床試験)の結果を発表した。同試験では、2型糖尿病患者で、メトホルミンに追加してビクトーザ(一般名:リラグルチド)を投与した場合の有効性と安全性について、経口血糖降下薬との比較を行った。 LIRA-PRIMEは、経口血糖降下薬(OAD)に対するビクトーザの安全性と有効性の比較を目的として、プライマリケアで実施した実臨床を反映した無作為化非盲検実薬対照第4相実臨床試験。同治験では、9ヵ国(219施設)の2型糖尿病患者1,991人無作為化し、最長で109週にわたり治療が行われた。 その結果、メトホルミンを用いた治療では血糖コントロールが十分でない2型糖尿病患者でビクトーザを使用した場合、経口血糖降下薬と比較して、血糖コントロール期間を有意に長期化することが示された。 血糖コントロールが不十分な状態に戻るまでの中央値は、ビクトーザと経口血糖降下薬でそれぞれ109週と65週であり、ビクトーザで44週長いことが示された。また、血糖コントロール不良や胃腸障害の有害事象など、何らかの理由による早期治療の中止は、ビクトーザと経口血糖降下薬でそれぞれ80週間と52週間であり、ビクトーザで28週間長いことが示された。 重篤な有害事象と低血糖エピソード(低血糖)の発現率は、両群間で同程度だった。胃腸障害の有害事象を理由として治療を中止した割合は、経口血糖降下薬を服用した患者では1%であったのに対し、ビクトーザを投与した患者では6%だった。この結果は、全てのGLP-1受容体作動薬で観察された結果と一致している。 「2型糖尿病患者さんの大多数は、プライマリケアで治療を受けていますが、無作為化介入試験は糖尿病専門医療機関で行われています。本試験は、臨床診療におけるビクトーザの有効性に関する新たな知見を示すものであり、プライマリケアから得られた貴重なデータを提供するものです」と、同社では述べている。 ビクトーザは、欧州では、メトホルミンに対する耐性がない、または禁忌のために不適切であると考えられる場合の単剤療法として、また他の治療薬に加えて、食事療法と運動を併用した成人2型糖尿病のコントロールが不十分な成人の治療に対して2009年に承認された。米国では、成人2型糖尿病患者における血糖コントロールを改善する、食事および運動療法の補助を適応とする他、心血管系疾患の既往を有する成人2型糖尿病患者の主要心血管イベントの発症リスク軽減を適応とし、2010年に承認された。 Randomised real-world evidence: LIRA-PRIME(ノボ ノルディスク)[Terahata / 日本医療・健康情報研究所]