GLP-1受容体作動薬「トルリシティ」がMACE発現率を低下 心血管疾患の既往歴がない患者が69% 「REWIND」試験
2018.11.16
週1回投与のGLP-1受容体作動薬「トルリシティ」(一般名:デュラグルチド)について、海外で実施された「REWIND」試験において、プラセボと比較して主要心血管イベント(MACE)の発現率が有意に減少し、主要有効性評価項目を達成したと、イーライリリー・アンド・カンパニーは発表した。
心血管疾患の既往歴がない患者が69%の「REWIND」試験
「REWIND」試験は、2型糖尿病の成人患者を対象とした心血管イベントの発現率について、標準治療に追加したGLP-1受容体作動薬「トルリシティ」1.5mg週1回投与をプラセボと比較した多施設共同無作為化二重盲検比較試験。主要評価項目はMACE(心血管死、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中から成る複合評価項目)の初発とした。 同試験にはベースライン時に心血管疾患の既往歴がない患者が69%含まれており、異なる心血管リスクを有する幅広い2型糖尿病成人患者のMACEの発現率をGLP-1受容体作動薬の中で初めて評価した。参加者は24ヵ国(日本は不参加)から9,901名、糖尿病の罹病期間の平均値は10年、ベースラインのHbA1c平均値は7.3%だった。 同試験は、多国間共同で行われ、女性の割合と心血管疾患既往を有しない人の割合が高く、ベースラインの平均HbA1c値が比較的低い患者が登録されたことから、世界中の一般診療で見られる典型的2型糖尿病患者に直接関連すると示唆される。 この結果によりトルリシティは、心血管疾患の既往歴がない患者が69%含まれる前例のない臨床試験において主要心血管イベントの減少を示したはじめての2型糖尿病薬となる。試験の詳細な結果は2019年の米国糖尿病学会学術集会で発表される予定だ。 トルリシティ(日本イーライリリー)[Terahata / 日本医療・健康情報研究所]