トレシーバに切り替えることで低血糖の発現率が67%低下 投与量の増加も抑制

2017.12.08
 ノボ ノルディスクは、血糖コントロールの状況にかかわらず、他の基礎インスリン製剤から「トレシーバ」(インスリン デグルデク)への切り替えは、低血糖のリスクまたはインスリン投与量を増加させることなく、血糖コントロールが有意に改善されるという試験結果を発表した。同結果は、1型および2型糖尿病患者の実臨床で収集した「EU-TREAT」試験データの事後解析したもの。

「EU-TREAT」(EUropean TREsiba AudiT)試験は、1型(n=1,717)および2型(n=833)糖尿病患者においての他の基礎インスリン製剤からのトレシーバへの切り替えの効果を調査する、欧州、多施設共同、リアルワールドエビデンス試験(n=2,550)。参加した患者は、データ収集の6ヵ月前に他の基礎インスリン製剤からトレシーバに切り替え、結果の測定は、トレシーバ開始後6±3ヵ月および12±3ヵ月で行い、トレシーバによる治療開始前の3ヵ月内の基礎インスリン製剤からのベースライン測定値と比較した。

 切り替え前に基礎インスリン製剤で血糖値がコントロールされていた2型糖尿病患者(HbA1c≦7.5%)では、トレシーバは血糖コントロール状況を維持しながら低血糖の発現率を有意に低下させた。トレシーバに切り替えた後、6ヵ月間にわたり低血糖の発現率を67%低下させ、インスリン投与量は11%減量させたという結果が示された。

 血糖値がコントロールされていなかった1型または2型糖尿病患者において、トレシーバに切り替えることで、低血糖のリスクまたはインスリン投与量を増加させることなく、血糖コントロールが有意に改善された。他の基礎インスリン製剤、主にインスリン グラルギン U100およびインスリン デテミルからの切り替え後、最大12ヵ月間、この結果は維持された。

 血糖値がコントロールされていた1型糖尿病患者では、6ヵ月間にわたり、16%の低血糖発現率の低下がみられ、インスリン投与量を13%減量させつつ血糖コントロールが維持された。

 今年初めに報告された「EU-TREAT」リアルワールドエビデンス試験の主な結果から、1型および2型糖尿病患者において、トレシーバへ切り替え6ヵ月後、HbA1cが有意に低下したことが示された。低血糖の発現率もトレシーバへの切り替え6ヵ月後、有意に低下した。1型糖尿病患者において重大な低血糖の発現は85%低下し、2型糖尿病患者においては92%低下した。12ヵ月後にも同様の低下がみられた。

 トレシーバは2012年9月に世界で初めて日本で承認されて以来、これまでに50ヵ国以上で販売されている。

糖尿病・内分泌プラクティスWeb 糖尿病・内分泌医療の臨床現場をリードする電子ジャーナル

脂質異常症の食事療法のエビデンスと指導 高TG血症に対する治療介入を実践 見逃してはいけない家族性高コレステロール血症
SGLT2阻害薬を高齢者でどう使う 週1回インスリン製剤がもたらす変革 高齢1型糖尿病の治療 糖尿病治療と認知症予防 高齢者糖尿病のオンライン診療 高齢者糖尿病の支援サービス
GLP-1受容体作動薬の種類と使い分け インスリンの種類と使い方 糖尿病の経口薬で最低限注意するポイント 血糖推移をみる際のポイント~薬剤選択にどう生かすか~ 糖尿病関連デジタルデバイスの使い方 1型糖尿病の治療選択肢(インスリンポンプ・CGMなど) 二次性高血圧 低ナトリウム血症 妊娠中の甲状腺疾患 ステロイド薬の使い分け 下垂体機能検査
NAFLD/NASH 糖尿病と歯周病 肥満の外科治療-減量・代謝改善手術- 骨粗鬆症治療薬 脂質異常症の治療-コレステロール低下薬 がんと糖尿病 クッシング症候群 甲状腺結節 原発性アルドステロン症 FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症 褐色細胞腫

医薬品・医療機器・検査機器

糖尿病診療・療養指導で使用される製品を一覧で掲載。情報収集・整理にお役立てください。

一覧はこちら

最新ニュース記事

よく読まれている記事

関連情報・資料