「リラグルチド」が主要な心血管イベントのリスクを低下させる適応症をもつ唯一の2型糖尿病治療薬として米国で承認
2017.09.15
ノボノルディスクは、米国食品医薬品局(FDA)が、心血管疾患の既往を有する成人2型糖尿病において主要な心血管イベントリスクを低下させるという「リラグルチド」(商品名:ビクトーザ)の新たな適応症を承認したと発表した。
FDAの決定は、大規模臨床試験である「LEADER試験」の結果にもとづいている。同試験では標準治療に追加投与した場合、リラグルチドは、心血管死、非致死性心筋梗塞または非致死性脳卒中のリスクをプラセボと比較して統計学的に有意に13%低下させ、絶対リスクの差は1.9%だった。
この全体のリスク低下は、リラグルチドが、心血管死をプラセボと比較して統計学的に有意に22%低下させ、絶対リスクの差が1.3%だったことに起因している。また、統計学的に有意ではないものの、非致死性心筋梗塞ならびに非致死性脳卒中のリスクを低下させた。
「心血管疾患が2型糖尿病患者における死因の第1位であることから、今回の承認は米国における何百万人もの2型糖尿病患者にとって重要な節目となる。ビクトーザは現在、心血管疾患の既往がある2型糖尿病患者に対して、血糖コントロールの改善および心血管系リスクの低下のいずれについても効果的な治療の選択肢を提供する」と、同社は述べている。
リラグルチド(ビクトーザ)は、2009年に欧州で上市され、2017年時点で世界95ヵ国以上で発売され、全世界で100万人以上の2型糖尿病患者の治療に使用されているGLP-1受容体作動薬。なお、リラグルチドの日本での承認内容は、海外とは異なる。
[Terahata / 日本医療・健康情報研究所]