ビクトーザ ベースラインのHbA1cの全カテゴリーで血糖改善

2011.05.24
 ノボ ノルディスクは、1日1回投与のビクトーザ®(一般名:リラグルチド)1.8mgが、どのベースラインHbA1cレベルでも、汎用されている他の2型糖尿病治療薬と比べてより多くの患者の血糖を改善させることを示すデータを発表した(米国現地時間:4月14日発表)。

 米サンディエゴで今年4月に開催された第20回米国臨床内分泌学会(AACE)年次学術集会で発表された主な内容は次の通り――

    ・ ビクトーザ®は、ベースラインHbA1cの全カテゴリーで、比較対照薬より大きな変化量を示した。
    ・ AACEの目標値(HbA1c 6.5%以下)を達成した患者の数から、ベースラインHbA1cの全カテゴリーにおいて、ビクトーザ®のベネフィットが示された。
    ・ ビクトーザ®は、ベースラインのHbA1cのより低いカテゴリーで、比較対照薬に比べて、より多くの患者がAACEの目標値(6.5%以下)を達成した。

 この研究は、ビクトーザ®の7つの試験の結果を統合したメタアナリシス。第3相臨床開発プログラムである6つのLEAD試験が含まれる。ビクトーザ®1.8mgを、エキセナチド、インスリン グラルギン、グリメピリド、ロシグリタゾン、シタグリプチンと比較し、ベースラインから26週までのHbA1cの平均変化量を解析した。

 その結果、使用されたすべての糖尿病治療薬で、ベースラインのHbA1cの全カテゴリーで血糖改善が示され、また、プラセボと比較して、HbA1cの高いカテゴリーほど変化量はより大きなものだった。

 ベースラインHbA1c 7.5%以下のカテゴリーで、HbA1c 6.5%以下を達成した割合は、他の糖尿病治療薬が20~49%だったのに対し、ビクトーザ®は63%と高かった。治療薬の中で最大の変化量を示したのもビクトーザ®で、HbA1c変化量はカテゴリー≦7.5%で0.7%、>9.0%で1.8%だった。

 ビクトーザ®は、日本初のGLP-1受容体作動薬。血糖値を下げるホルモンであるインスリンの分泌を血糖値に応じて促進させ、同時に、血糖値を上げるホルモンであるグルカゴンの分泌を抑制する。1日1回の皮下注射で血糖改善効果を示し、単独療法では低血糖を起こしにくい薬剤。また、GLP-1の薬理作用である食欲・摂食に対する作用から、体重増加をきたしにくい。また、国内外の臨床試験では、ビクトーザ®投与後に膵β細胞機能指標の改善が認められた。

 なお、ビクトーザ®はインスリンの代替薬ではなく、インスリンを分泌させる膵β細胞がほとんど、あるいは全く機能していない場合には効果が現れない。

ノボ ノルディスク ファーマ(株)

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