内服薬処方せんの記載方法を標準化 全国の医療機関で統一
2010.02.02
厚生労働省は、「内服薬処方せんの記載方法の在り方に関する検討会」(座長:楠岡英雄・国立病院機構大阪医療センター院長)の報告書を公表した。医師や医療機関で統一されていない内服薬処方せんの記載方法の標準を示し、全国の医療機関で統一を図る。
1) 「薬名」については、薬価基準に記載されている製剤名を記載することを基本とする。
2) 「分量」については、最小基本単位である1回内服量を記載することを基本とする。
3) 散剤・液剤の「分量」については、製剤量(原薬量ではなく、製剤としての重量)を記載することを基本とする。
4) 「用法・用量」における服用回数・服用のタイミングの標準化を行い、情報伝達エラーを惹起する可能性のある表現方法を排除し、日本語で明確に記載することを基本とする。
5) 「用法・用量」における服用日数については、実際の投与日数を記載することを基本とする。 速やかに着手すべき方策として、検査・処方などに係る情報伝達を電子化した「オーダリングシステム」を挙げている。オーダリングシステムでは、従来医師が紙に書いていた検査内容や処方せんをコンピューターに入力することで、関連する部門の業務が連動し、診療から医事会計に関わる処理・業務まで正確・迅速に行えるようになる。厚生労働省は、メーカーによって異なる入力方法を標準化するために、保健医療福祉情報システムエ業会などの業界団体に協力を求めていく。 このほか、記載方法を標準化するまでの短期的方策と長期的方策や、移行期間における対応を示した。厚生労働省は今後、2~3年のうちに標準化の進捗状況について中間評価を行うほか、遅くとも5年後に調査・研究を行うとしている。 内服薬処方せんの記載方法の在り方に関する検討会報告書(厚生労働省)
医療事故情報収集等事業(財団法人日本医療機能評価機構)
医療安全情報(2008年5月)
(日本医療機能評価機構)
厚生労働省は2002年度より、処方せん記截方法の標準化に向けた検討を開始した。日本医療機能評価機構が行っている事業で、薬剤の医療事故や処方・与薬のヒヤリ・ハット事例の具体例を収集し、個別事例について注意喚起を行ってきた。また、2005年に医療安全対策検討会議を設置し、医政局長あてに「処方せんの記載方法等に関する意見」を提出。
そのなかで、各医療機関で処方せんの記載方法が統一されていない現状を指摘し、記載ミスや伝達エラーなどのヒヤリ・ハット事例や医療事故を防ぐため、患者や医療従事者を含め、記載方法や項目の標準化を含めた処方せんの記載を検討する必要があると指摘している。
報告書では、誰が見ても記載内容が理解できるよう処方せんの記載方法を標準化し、全国の医療機関で統一された処方せんが発行されることが望ましいとし、「内服薬処方せん記載の在るべき姿」として5項目を提示した。(日本医療機能評価機構)
1) 「薬名」については、薬価基準に記載されている製剤名を記載することを基本とする。
2) 「分量」については、最小基本単位である1回内服量を記載することを基本とする。
3) 散剤・液剤の「分量」については、製剤量(原薬量ではなく、製剤としての重量)を記載することを基本とする。
4) 「用法・用量」における服用回数・服用のタイミングの標準化を行い、情報伝達エラーを惹起する可能性のある表現方法を排除し、日本語で明確に記載することを基本とする。
5) 「用法・用量」における服用日数については、実際の投与日数を記載することを基本とする。 速やかに着手すべき方策として、検査・処方などに係る情報伝達を電子化した「オーダリングシステム」を挙げている。オーダリングシステムでは、従来医師が紙に書いていた検査内容や処方せんをコンピューターに入力することで、関連する部門の業務が連動し、診療から医事会計に関わる処理・業務まで正確・迅速に行えるようになる。厚生労働省は、メーカーによって異なる入力方法を標準化するために、保健医療福祉情報システムエ業会などの業界団体に協力を求めていく。 このほか、記載方法を標準化するまでの短期的方策と長期的方策や、移行期間における対応を示した。厚生労働省は今後、2~3年のうちに標準化の進捗状況について中間評価を行うほか、遅くとも5年後に調査・研究を行うとしている。 内服薬処方せんの記載方法の在り方に関する検討会報告書(厚生労働省)
医療事故情報収集等事業(財団法人日本医療機能評価機構)
[Terahata / 日本医療・健康情報研究所]