販売名 | 製品画像 | 薬価 |
---|---|---|
カナグルOD錠100mg |
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139.30 |
SGLT2阻害剤
カナグリフロジン水和物口腔内崩壊錠
田辺三菱製薬株式会社
〇2型糖尿病
〇2型糖尿病を合併する慢性腎臓病
ただし、末期腎不全又は透析施行中の患者を除く。
通常、成人にはカナグリフロジンとして100mgを1日1回朝食前又は朝食後に経口投与する。
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡の患者[輸液及びインスリンによる速やかな高血糖の是正が必須となるので本剤の投与は適さない。]
3.重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者[インスリン注射による血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない。]
室温保存
3年
処方箋医薬品 注1)
注1) 注意―医師等の処方箋により使用すること
2024年5月
通常、成人にはカナグリフロジンとして100mgを1日1回朝食前又は朝食後に経口投与する。
使用経験が少なく、安全性が確立していない。
[8.1 参照],[11.1.1 参照]
本剤の利尿作用により脱水を起こすおそれがある。[8.2 参照],[10.2 参照],[11.1.2 参照]
症状を悪化させるおそれがある。[8.3 参照],[11.1.4 参照]
これらの患者(Child-Pugh分類で合計スコア9超)を対象とした臨床試験は実施していない。[16.6.2 参照]
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には本剤を投与せず、インスリン製剤等を使用すること。動物実験(ラット)で胎児への移行が報告されており、ヒトの妊娠中期及び後期にあたる期間の曝露により、幼若動物に腎盂及び尿細管の拡張が報告されている。
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されており、哺育期間中に出生児の体重増加抑制や幼若動物の腎盂の拡張、尿細管の拡張が認められている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多く、脱水症状(口渇等)の認知が遅れるおそれがある。[8.2 参照],[11.1.2 参照]
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
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低血糖症状が起こるおそれがある。特に、インスリン製剤、スルホニルウレア剤又は速効型インスリン分泌促進薬と併用する場合、低血糖のリスクが増加するおそれがあるため、これらの薬剤の減量を検討すること。 |
血糖降下作用が増強される。 |
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血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。 |
血糖降下作用が増強される。 |
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血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。 |
血糖降下作用が減弱される。 |
ジゴキシン [16.7.2 参照] |
本剤300mgとの併用によりジゴキシンのCmax及びAUCがそれぞれ36%及び20%上昇したとの報告があるため、適切な観察を行うこと。 |
本剤のP-糖蛋白質阻害作用による。 |
リファンピシン、フェニトイン、フェノバルビタール、リトナビル等 [16.7.1 参照] |
リファンピシンとの併用により本剤のCmax及びAUCがそれぞれ28%及び51%低下したとの報告があるため、適切な観察を行うこと。 |
本剤の代謝酵素であるUGT1A9及びUGT2B4をこれらの薬剤が誘導することにより、本剤の代謝が促進される。 |
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必要に応じ利尿薬の用量を調整するなど注意すること。 |
左記薬剤との併用により利尿作用が増強されるおそれがある。 |
炭酸リチウム |
リチウムの作用が減弱されるおそれがある。 |
血清リチウム濃度が低下する可能性がある。 |
低血糖があらわれることがある。低血糖症状が認められた場合には、糖質を含む食品を摂取するなど適切な処置を行い、α-グルコシダーゼ阻害薬との併用時にはブドウ糖を投与すること。[8.1 参照],[8.10 参照],[9.1.2 参照],[10.2 参照],[17.1.1 参照],[17.1.2 参照],[17.2.1 参照],[17.2.2 参照]
口渇、多尿、頻尿、血圧低下等の症状があらわれ脱水が疑われる場合には、休薬や補液等の適切な処置を行うこと。脱水に引き続き脳梗塞を含む血栓・塞栓症等を発現した例が報告されている。[8.2 参照],[9.1.3 参照],[9.8 参照],[10.2 参照]
ケトアシドーシス(糖尿病性ケトアシドーシスを含む)があらわれることがある。[8.7.1 参照],[8.7.2 参照]
腎盂腎炎、外陰部及び会陰部の壊死性筋膜炎(フルニエ壊疽)があらわれ、敗血症(敗血症性ショックを含む)に至ることがある。[8.3 参照],[9.1.4 参照]
1%以上 |
0.1~1%未満 |
0.1%未満 |
頻度不明 |
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感染症および寄生虫症 |
尿路感染 |
カンジダ性亀頭炎、膀胱炎、腟感染、外陰部腟カンジダ症、真菌性性器感染、外陰腟真菌感染 |
細菌尿、蜂巣炎、結膜炎、性器カンジダ症、口腔カンジダ症、歯周炎、肺炎、股部白癬、外陰部炎、外陰腟炎、カンジダ感染 |
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血液およびリンパ系障害 |
赤血球増加症 |
貧血、白血球増加症 |
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代謝および栄養障害 |
無症候性低血糖 |
高カリウム血症、高尿酸血症、ケトーシス、食欲減退 |
水分過負荷、痛風、高血糖、低ナトリウム血症、血液量減少症、代謝性アシドーシス、多飲症 |
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神経系障害 |
浮動性めまい、体位性めまい、頭痛 |
脳卒中、糖尿病性ニューロパチー、労作性めまい、味覚異常、末梢性ニューロパチー |
失神 |
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眼障害 |
糖尿病網膜症、網膜症 |
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耳および迷路障害 |
回転性めまい |
耳鳴、突発性難聴 |
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心臓障害 |
狭心症、不安定狭心症、心房細動、うっ血性心不全、冠動脈疾患、動悸、頻脈、心室性期外収縮、急性冠動脈症候群 |
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血管障害 |
低血圧、起立性低血圧 |
高血圧 |
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呼吸器、胸郭および縦隔障害 |
呼吸困難 |
咳嗽 |
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胃腸障害 |
便秘 |
腹部膨満、腹痛、下痢、口内乾燥、胃炎、胃食道逆流性疾患、悪心、嘔吐 |
腹部不快感、上腹部痛、慢性胃炎、嚥下障害、痔核、過敏性腸症候群 |
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肝胆道系障害 |
肝機能異常 |
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皮膚および皮下組織障害 |
湿疹、そう痒症、発疹、皮膚潰瘍、蕁麻疹、中毒性皮疹 |
接触皮膚炎、薬疹、全身性皮疹、皮膚病変、全身性そう痒症、糖尿病性足病変 |
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筋骨格系および結合組織障害 |
筋痙縮 |
背部痛、筋力低下 |
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腎および尿路障害 |
頻尿 |
排尿困難、緊張性膀胱、尿意切迫、夜間頻尿、多尿、糖尿病性腎症、腎機能障害、慢性腎臓病、急性腎障害、末期腎疾患 |
腎結石症、中毒性ネフロパシー、蛋白尿、尿失禁 |
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生殖系および乳房障害 |
亀頭包皮炎、陰部そう痒症、外陰腟そう痒症 |
良性前立腺肥大症、腟分泌物、勃起不全 |
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一般・全身障害および投与部位の状態 |
疲労、空腹、倦怠感、末梢性浮腫、口渇 |
無力症、胸部不快感、悪寒、注射部位内出血 |
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臨床検査 |
血中ケトン体増加 |
血中クレアチニン増加、血中尿素増加、γ‒グルタミルトランスフェラーゼ増加、糸球体濾過率減少、尿中血陽性、体重減少、尿中ケトン体陽性、尿量増加 |
血中重炭酸塩減少、血中クレアチンホスホキナーゼ増加、血中乳酸脱水素酵素増加、血中カリウム増加、ヘマトクリット増加、赤血球数増加、尿中アルブミン/クレアチニン比増加、肝酵素上昇 |
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傷害、中毒および処置合併症 |
転倒、上腕骨骨折 |
海外で行われた脳・心血管疾患の既往又は高いリスクを有する、血糖コントロール不良な2型糖尿病患者を対象とした大規模臨床試験において、カナグリフロジンとして100又は300mgを1日1回投与された患者では、プラセボを投与された患者よりも、下肢切断の発現頻度が有意に高かった(ハザード比:1.97、95%信頼区間1.41-2.75)との報告がある1)。本剤の承認用量は100mg/日である。
国内及び海外で行われた2型糖尿病を合併する慢性腎臓病患者を対象とした大規模臨床試験において、カナグリフロジンとして100mgを1日1回投与された患者での下肢切断の発現頻度のプラセボ群に対するハザード比(95%信頼区間)は、1.11(95%信頼区間0.79-1.56)であった2)。
雌雄ラットを用いた2年間反復投与がん原性試験(10、30及び100mg/kg/日)において、10mg/kg/日以上の雄で精巣に間細胞腫、100mg/kg/日の雌雄で副腎に褐色細胞腫及び腎臓に尿細管腫瘍の発生頻度の増加が認められた。ラットに本剤10mg/kg/日(雄)又は100mg/kg/日(雌)を反復経口投与したときの曝露量(AUC0-24h)は、最大臨床推奨用量(1日1回100mg)の約6倍又は約84倍であった。
(更新確認日:2025年9月12日)
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