GLP-1受容体作動薬セマグルチド 肥満者を対象としたSTEP UP試験で20%超の体重減少を達成
ノボ ノルディスクは、GLP-1受容体作動薬セマグルチドを使用したSTEP UP試験から得られた主要な結果を発表した。
セマグルチド7.2mgにより、20.7%(治療の遵守度を考慮しない場合には18.7%) の体重減少を達成したとしている。

セマグルチド7.2mgが肥満者を対象としたSTEP UP試験で20%超の体重減少を達成
ノボ ノルディスクは、GLP-1受容体作動薬セマグルチドを使用したSTEP UP試験(グローバルSTEPプログラムの第3b相試験)から得られた主要な結果を発表した。STEP UP試験は、セマグルチド7.2mgの有効性と安全性を、セマグルチド2.4mgおよびプラセボ(いずれも週1回投与)と比較した試験で、肥満を有する成人1,407人を無作為に割り付け、すべての投与群で生活習慣への介入も同時に実施した。
その結果、72週時で、セマグルチド7.2mg群ではプラセボ群と比較して、統計的に有意な優れた体重減少が認められ、主要評価項目が達成されたとしている。
すべての治験参加者(平均ベースライン体重113kg)が治療を遵守した場合の治療効果を評価したところ、セマグルチド7.2mgによる治療を受けた被験者では、72週間後に、セマグルチド2.4mg(17.5%)およびプラセボ(2.4%)と比較して、体重の20.7%の減少を達成した。またセマグルチド7.2mg群で、72週間後に25%以上の体重減少を達成した人の割合は33.2%であり、セマグルチド2.4mg群では16.7%、プラセボ群では0.0%だった。
治療方針estimandに対する解析では、セマグルチド7.2mgによる治療を受けた群では18.7%の体重減少を達成し、セマグルチド2.4mg群(15.6%)とプラセボ群(3.9%)を上回った。
同試験では、セマグルチド7.2mgの良好な安全性と忍容性も示された。もっとも多く認められた有害事象は消化器症状であり、その大部分は軽度から中等度で、時間とともに消失したとしている。この傾向は、これまでのGLP-1受容体作動薬の有害事象のプロファイルと一致している。
なお、肥満を対象としたセマグルチド7.2mg製剤(新用量)は現在、海外で開発中であり未承認。また、Wegovyの適応症は、日本で承認を得ているウゴービ皮下注の適応症とは異なるとしている。
「STEP UP試験から得られた結果は、SELECT試験で観察された心血管イベント(心血管死、非致死性心筋梗塞または非致死性脳卒中)発現リスクの低下など、Wegovyですでに確認されている健康上のベネフィットに加え、肥満治療に対するセマグルチドの臨床プロファイルをさらに強化するものとなる」と、同社では述べている。
STEP UP試験は、セマグルチド7.2mgの有効性について調査するため実施された、2つの臨床試験 (STEP UP 試験および STEP UP T2D 試験)で構成され、STEP UP試験は、セマグルチド7.2mgによる体重減少効果がプラセボを上回ることの検証を目的として、糖尿病を有していないBMIが30以上の成人 1,407人が含まれ、それぞれ10%、15%、20%、25%の体重減少の達成が、主な副次的評価項目として設定された。
同試験は、72週間にわたり、生活習慣介入の補助療法としてのセマグルチド7.2mgの有効性について、セマグルチド2.4mgおよびプラセボと比較して評価することを目的としてデザインされた無作為化、二重盲検、並行群間、プラセボ対照優越性試験。
2型糖尿病と肥満を抱える成人を対象としたSTEP UP T2D試験(セマグルチド7.2mgに関する2つ目の第3b相試験)については、今後数ヵ月以内に結果が得られる見込みで、またSTEP UP試験の詳細な結果については、2025年の学会で発表される予定としている。