【新型コロナ】カシリビマブとイムデビマブの抗体カクテル療法 COVID-19に対する治療薬として承認申請 特例承認を希望
COVID-19患者を対象とした海外第3相臨床試験成績、および国内第1相臨床試験成績にもとづく申請
今回の承認申請は、COVID-19患者を対象とした海外臨床第3相REGN-COV 2067試験の成績、および日本人における安全性と忍容性、薬物動態の評価を目的とした国内第1相臨床試験の成績にもとづいている。
この抗体カクテル療法は、SARS-CoV-2に対する2種類のウイルス中和抗体カシリビマブおよびイムデビマブを組み合わせ、COVID-19に対する治療および予防を目的に、米国リジェネロン社およびロシュ社により開発されている。両社は2020年8月に製造、開発、販売について共同で実施することを発表し、同年12月に、中外製薬が日本での開発権および今後の独占的販売権をロシュ社より取得した。
ウイルスのスパイクタンパク質の受容体結合部位に非競合的に結合する2つの異なる抗体医薬品を同時に投与することで、SARS-CoV-2に対して中和活性を示し、ヒト集団で現在蔓延しているスパイクタンパク質に変異をもつウイルス株を防御することが期待されている。
なお、同社は今年5月に、この抗体カクテル療法が日本で承認された場合、国内での供給を目的として2021年分を日本政府が確保することを合意している。
「変異株の感染拡大など、COVID-19の流行は長期化しており、新たな治療選択肢が必要とされています。カシリビマブとイムデビマブの抗体カクテル療法は海外第3相臨床試験で、入院をしていない高リスクのCOVID-19患者の入院または死亡のリスクを有意に低下しました」と、同社では述べている。