ビグアナイド薬(メトホルミン)の適正使用を呼びかけ 脱水・過度の飲酒・シックデイに注意

2023.08.16
 ビグアナイド薬の「メトグルコ」(一般名:メトホルミン塩酸塩)について、住友ファーマが医療関係者に向けて、下記の注意喚起をしている。

 なお同社では、メトグルコ服用中の注意点を記載した患者向け資材および医療関係者向け資材もそれぞれ用意している。
-メトグルコ錠適正使用のお願い-

メトグルコ服用中は脱水に注意するようご説明ください

 脱水状態でメトグルコ服用を継続し、重篤な乳酸アシドーシスが発現した事例が報告されている。脱水状態では乳酸が蓄積しやすくなるので、乳酸アシドーシスの発現、重症化を予防するために、患者や家族に下記の点について説明するよう求めている。
 利尿作用のある薬剤(利尿剤、SGLT2阻害剤など)との併用時には、とくに脱水に注意するよう呼びかけている。

  •  適度に水分をとるよう心がけてください。
  •  発熱、下痢、嘔吐、食事摂取不良のときには脱水を起こすことが ありますので、メトグルコを飲むのをいったんやめて、医師または薬剤師に相談してください。
  •  飲酒によっても脱水を引き起こすことがありますので、お酒を飲みすぎないでください。

メトグルコ服用中は過度の飲酒を避けるようご説明ください

 メトグルコ錠を服用中に、飲酒により重篤な乳酸アシドーシスが発現した事例が報告されている。過度の飲酒により、肝臓における乳酸の代謝が低下し、乳酸が蓄積しやすくなる。また、脱水状態となり、乳酸アシドーシス発現のリスクが高くなる。
 乳酸アシドーシスの発現、重症化を予防するために、患者や家族に下記の点について説明するよう呼びかけている。
 なお、「過度のアルコール摂取者」への、メトグルコの投与は禁忌となっている。アルコールの適量には個人差があり、「過度のアルコール」の基準はないので、あらかじめ患者の飲酒量を確認するよう求めている。

  •  お酒を飲みすぎないでください。
  •  肝臓が悪い方は禁酒してください。
  •  大量にお酒を飲んだときには、メトグルコの服用を一時的にやめてください

メトグルコ服用中にシックデイの症状があらわれたときは服用をいったんやめるようご説明ください

 発熱、下痢や嘔吐の症状があるとき、食欲がなく食事がとれないときなど、いわゆる「シックデイ」のときにメトグルコ服用を継続し、重篤な乳酸アシドーシスが発現した事例が報告されている。シックデイの症状があるときは、脱水状態から乳酸アシドーシスが起こりやすくなる。
 乳酸アシドーシスの発現、重症化を予防するために、患者や家族へ下記の点についてご説明するよう呼びかけている。
 なお、「脱水症の患者又は脱水状態が懸念される患者(下痢、嘔吐等の胃腸障害のある患者、経口摂取が困難な患者等)」へのメトグルコの投与は禁忌となっている。

  •  発熱、下痢、嘔吐、食事摂取不良のときには脱水状態になることがありますので、メトグルコをのむのをいったんやめて、医師または薬剤師に相談してください。 また、適度に水分をとるよう心がけてください。

 なお同社では、メトグルコ服用中の注意点を記載した患者向け資材および医療関係者向け資材もそれぞれ用意している。

住友ファーマ 医療関係者向けサイト
メトグルコ (製品別お役立ち情報)

メトグルコ錠250mg/メトグルコ錠500mg 添付文書 医薬品ガイド (医薬品医療機器総合機構)

[ TERAHATA / 日本医療・健康情報研究所 ]

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