ミニメド780Gシステム、1型糖尿病治療における費用対効果を報告 日本を含むアジア太平洋地域での新データ

2026.01.06

 メドトロニック(以下、同社)は、アジア太平洋地域の1型糖尿病患者における「ミニメド 780Gシステム」の費用対効果に関する新しいデータを発表した。

 同社によると、同システムに搭載されたAHCL(Advanced Hybrid Closed Loop)での治療が、頻回注射法(MDI)と間歇スキャン型持続血糖測定(isCGM)による標準治療に比べ、医療経済的有意性をもたらすことが示唆されたという。

 本データは、2025年12月9日~11日に開催された第2回アジア先進糖尿病治療会議(ATTD-ASIA 2025)で発表された。

 今回発表されたデータは、各国の医療制度下においてミニメド780Gシステムを導入した場合の費用対効果を検証したもの。分析には、質調整生存年(QALY)および増分費用効果比(ICER)が指標として用いられた。 3か国すべての分析では、対象はHbA1c>8%の成人1型糖尿病患者であった。またすべての解析は、査読済みのADAPT試験データ(ミニメド780GシステムとMDI+isCGMを比較した多国籍RCT)が活用された。

 同社は、日本、香港、オーストラリアの3つの独立した研究のいずれにおいても、ミニメド780Gシステムでの治療は、MDI+isCGMによる標準治療と比較して生活の質を改善し、糖尿病関連合併症の長期リスクを低減することが示されたと報告している。またこれらの臨床的な利点が、AHCLを含むAID(自動インスリン投与システム)に伴う医療コストの一部を補うだけでなく、長期的な経済的価値をもたらしたとしている。

 以下、各国での解析結果。

香港

  • QALY(質調整生存年):+2.351
  • 合併症のリスク軽減により1人あたり306,179香港ドルの削減効果
  • ICER(増分費用効果比):392,602香港ドル/ QALY獲得

日本

  • QALY(質調整生存年):+2.865
  • 合併症のリスク軽減により1人あたり2,857,914円の削減効果
  • ICER(増分費用効果比):4,423,282円/ QALY獲得( ※日本においては一般に1QALYあたり5百万円を下回る治療が経済的に有効と判断されている )

オーストラリア

  • QALY(質調整生存年):+1.403
  • 合併症のリスク軽減により1人あたり47,792豪ドルの削減効果
  • ICER(増分費用効果比):32,734豪ドル/ QALY獲得

 国立国際医療センター糖尿病内分泌代謝科の小谷紀子医師は、本結果を受け「AHCLは、血糖管理を最適化するだけではなく、一人ひとりの人生をより豊かにする可能性を提示する。そして、この度の費用対効果研究は、AHCLが医療経済的にも合理性があることを示した。そのことを踏まえて公的な支援制度の議論が前進し具体的な制度が実現することを期待している」と述べている。

 同社は今回の結果について、欧州で最近報告された健康経済分析と一致しており、アジア太平洋地域においても、AIDシステムの導入が、患者個人、医療制度、ひいては社会全体における糖尿病の長期的なコストと負担を軽減できる可能性を示しているものであるとしている。

[ 糖尿病リソースガイド編集部 / 日本医療・健康情報研究所 ]

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