2型糖尿病患者、血糖降下薬の服薬アドヒアランス良好で心血管イベントリスク低下

2型糖尿病では心血管疾患リスクを抑えることが治療の重要な目標とされている。しかし、血糖降下薬の長期的な服薬状況が、実際の心血管イベント発生とどのように関連するのかは十分に検討されていなかった。このような背景からNielsen氏らは、2005~2012年に2型糖尿病と新たに診断され、診断から1年以内にインスリン以外の血糖降下薬による治療を開始した7万9,510人を対象とした全国コホート研究を実施した。
本研究では、ベースライン時に心血管疾患を有する患者は除外した。薬局での調剤データから月ごとの服薬日数割合(PDC)を算出し、治療開始後の服薬状況の推移をグループベース軌跡モデリング(GBTM)で解析。長期的な服薬アドヒアランスを高、中、低の3群に分類し、Cox比例ハザードモデルを用いて、アドヒアランスと10年間の心血管イベント発生との関連を評価した。さらに、制限付き平均生存時間(RMST)を用いて、10年間の心血管イベントなしの期間を群間で比較した。
対象者の年齢中央値は61歳で、57%が男性だった。解析の結果、長期的な服薬アドヒアランスは、高アドヒアランス群(41%)、中間群(33%)、低アドヒアランス群(26%)の3つのパターンに分類された。追跡期間中に1万5,276件の心血管イベントが発生した。
高アドヒアランス群と比べ、主要評価項目である虚血性心疾患、脳卒中、心不全から成る複合心血管アウトカムのリスクは、中間群で7%(調整ハザード比 1.07、95%信頼区間〔CI〕 1.03~1.12)、低群で27%(同 1.27、95%CI 1.21~1.33)高かった。また、高アドヒアランス群では、10年間で心血管イベントを発症せずに過ごせる期間が平均220日(95%CI 204~237日)長かった。リスク増加は主に虚血性心疾患によるもので、心不全との有意な関連は認められなかった。
Nielsen氏は、「年に1~2回服薬状況を確認するだけでは十分ではない。薬を入手できても、毎日服用できるとは限らないため、長期的な服薬状況を把握することで、重大な心血管イベントが起こる前にリスクの高い患者を見つけられる可能性がある」と述べている。
なお、本研究の一部は、ノボ ノルディスク財団の研究助成による支援を受けて実施された。
[HealthDay News 2026年8月11日]
Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.
Photo Credit: Adobe Stock




