特集コーナー『糖尿病診療・支援のための腎臓病リスキリング 慢性腎臓病とSDM~life goalsと療法選択~』を公開
※Shared Decision Making
協力:株式会社ヴァンティブ
年々増加する、慢性腎臓病に着目
年々、増加傾向にある慢性腎臓病。糖尿病はその代表的原因疾患であり、1998年以降、糖尿病性腎症が透析導入となる原因の第一位となっている。この状況を受け、この度、糖尿病リソースガイドは、慢性腎臓病の特集コーナーを開設した。糖尿病性腎症や慢性腎臓病の進展防止とともに、腎代替療法、さらには慢性疾患におけるSDMに焦点をあて、糖尿病・腎臓病のエキスパート医師たちが、医療従事者に向けて情報を提供する。
人生100年時代に慢性疾患とどう向き合うか。今一度学び、考え、実践する契機となるよう企画されたコンテンツとなっている。
慢性疾患とSDMに関する特別インタビューを実施
SDMは、医療者が持つ医学的な情報と、患者自身が持つ生活背景や価値観等の情報を医療者と患者が共有しながら共に治療に関する意思を決定していく考え方である。医療者が意思決定をする「パターナリズム」や、医療者が患者に選択肢を提示し、患者が自己責任で意思決定をする「インフォームドアプローチ」の後に登場した概念だ。
SDMは現在、多くの疾患領域で取り組みが進められており、治療プロセスにおける医療者と患者の関り方が変わりつつある。また、アドボカシーやスティグマの観点から語られることが多くなっているのも最近の傾向だ。
そこで、そうした活動も精力的に行っており、糖尿病領域でのSDMの普及に尽力している田中永昭医師に、SDMの現状と展望を聞いた。
●特別インタビュー
『慢性疾患の概念をポジティブに変えるSDM~医療従事者が今できること~』
国家公務員共済組合連合会 枚方公済病院 内分泌代謝内科部長 糖尿病センター長
田中永昭 先生
<田中永昭 先生プロフィール>
大阪市立大学2000年卒。日本内科学会認定内科医・総合内科専門医、日本糖尿病学会認定専門医、日本内分泌学会認定専門医。前所属先の関西電力病院では、糖尿病・内分泌代謝センター部長として糖尿病・内分泌代謝疾患の専門的治療に従事。糖尿病のある方への誤解や偏見(スティグマ)を解消するための活動(アドボカシー活動)に精力的に取り組んでおり、講演も多数行っている。
エキスパート医師たちのインタビューを続々公開予定
本特集コーナーでは、今後も糖尿病、腎臓病に携わる医師たちの取材記事を続々と公開する予定だ。
次回の特別インタビューは、両領域で長年尽力してこられた馬場園哲也医師。糖尿病性腎症の治療にどのようにしてかかわるようになったか等のキャリアのお話、これから糖尿病性腎症を学ぼうとしている医師へのアドバイス、患者さんに伝えることの難しさを痛感した経験について、そして馬場園先生が筆頭となり改定した『糖尿病性腎症病期分類2023』に関してなど、糖尿病性腎症の治療に関わる医療従事者には、ぜひ読んでいただきたい内容となっている※。
腎臓病に関する資料が無料でダウンロード可能
本特集では、腎臓病の治療や診療支援に役立つ以下のような資料が入手できる資料請求ページも設置。無料でダウンロードできるので、ぜひ利用してほしい。
- 『かかりつけ医も取り組む腹膜透析診療 岡本 卓 先生(愛し野内科クリニック 院長)』
- 『かかりつけ医も取り組む腹膜透析診療 佐藤克哉 先生(猿払村国民健康保険病院 院長JSPD連携認定医)』
- 『腎不全 治療選択とその実際2023』
- 『腎臓病 あなたに合った治療法を選ぶために』
- 『あなたの腎臓を守るために』
- 『腎不全治療説明用下敷き(A3版)』
本特集コーナーは今後さらに対談や学会レポート等のコンテンツを増やし様々な情報を届ける予定である※。
また、本特集は糖尿病リソースガイド内のコーナーだが、糖尿病ネットワークでも患者向けに腎臓病の特集コーナー『腎臓の健康道~つながって知る、人生100年のKidney Journey~』を設けており(同日公開)、医療側と患者側の双方で腎臓病に対する知識の底上げができるよう図っていく。
※内容は一部変更になる可能性があります。