週1回投与の「インスリン イコデク」 週1回投与のインスリンが優れたHbA1c低下を示す 第3相試験

2022.05.18
 ノボ ノルディスクは4月28日、1日1回投与のインスリンで治療中の2型糖尿病患者526例を対象とした、週1回投与の「インスリン イコデク」の有効性および安全性を、1日1回投与の「インスリン デグルデク」と比較する、26週間のtreat-to-target試験であるONWARDS 2第3a相試験の主要な結果を発表した。

 主要評価項目である26週のHbA1cの低下について、週1回投与のインスリン イコデクの非劣性が示された。

 全体のHbA1cのベースライン(8.13%)からのHbA1cの低下量の推定値は、インスリン デグルデク1日1回投与群(0.71%)に比べて、インスリン イコデク週1回投与群(0.93%)で、より優れた改善が示された(群差の推定値:-0.22%)。

週1回投与の基礎インスリン製剤 1年間の基礎インスリンの注射回数を365回から52回に減少

 「インスリン イコデク(insulin icodec)」は、半減期が約1週間の長時間持続性基礎(ベーサル)インスリンアナログで、現在は治験段階にある。注入すると、アルブミンに強く、しかし可逆的に結合するため、活性icodecの持続的で緩慢で安定した放出が1週間にわたり血糖の低下をもたらす。

 ONWARDS 2第3a相試験では、主要評価項目である26週のHbA1cの低下について、週1回投与のインスリン イコデクの非劣性が示された。

 全体のHbA1cのベースライン(8.13%)からのHbA1cの低下量の推定値は、インスリン デグルデク1日1回投与群(0.71%)に比べて、インスリン イコデク週1回投与群(0.93%)で、より優れた改善が示された(群差の推定値:-0.22%)。

 単位時間あたりの低血糖の発現件数の推定値に投与群間で統計的な違いはみられず、インスリン イコデク週1回投与群では重大な低血糖の発現はみられなかった。

 重大なまたは臨床的に問題となる低血糖(血糖値<54mg/dL)の単位時間あたりの発現件数は、インスリン イコデク週1回投与群では0.73件/人・年であったのに対し、インスリン デグルデク1日1回投与群では0.27件/人・年だった。同試験で、週1回投与のインスリン イコデクは、安全かつ良好な忍容性が認められた。

 「週1回投与のインスリン イコデクは、第3相試験で1年間に基礎インスリンを注射する回数を365回から52回に減らせることを示したはじめてのインスリンです。ノボ ノルディスクは、血糖コントロールを改善し、糖尿病とともに生きる人々の疾患の負担を軽減するために、100年にわたりインスリン治療の開発に全力で取り組んできました。今年後半にONWARDSプログラムのさらなる試験結果をお伝えできることを楽しみにしています」と、同社では述べている。

 週1回投与のインスリン イコデクの臨床開発プログラムであるONWARDSは、現在、1型糖尿病または2型糖尿病の成人患者4,000例以上を対象とした6つのグローバル第3a相臨床試験で構成され、そのなかにはリアルワールドの要素を導入した試験も含まれる。

 ONWARDS 1は、インスリン治療歴のない2型糖尿病患者984例を対象とした、インスリン以外の糖尿病治療薬との併用時のインスリン イコデク週1回投与とインスリン デグルデク100単位/mL 1日1回投与の有効性および安全性を比較する78週間の試験。

 ONWARDS 3は、インスリン イコデク週1回投与群とインスリン デグルデク1日1回投与群を比較する26週間の試験。目的は、インスリン治療歴のない2型糖尿病患者588例を対象として、インスリンイコデクの有効性および安全性を評価すること。

 ONWARDS 4は、基礎インスリンとの併用下でのインスリン イコデク週1回投与群とインスリン デグルデク1日1回投与群を比較する26週間の試験。目的は、Basal-Bolusインスリン療法を受けている2型糖尿病患者582例を対象として、インスリン イコデクの有効性および安全性を評価すること。

 ONWARDS 5は、日常臨床環境下でのインスリン イコデク週1回投与群とインスリン デグルデク1日1回投与群を比較する52週間の試験。目的は、インスリン治療歴のない2型糖尿病患者1,085例を対象に、アプリによる推奨投与量の情報提供を用いることで、インスリン イコデクの有用性および安全性を評価すること。

 ONWARDS 6は、基礎インスリン注射との併用下でのインスリン イコデク週1回投与群とインスリン デグルデク1日1回投与群を比較する52週間の試験。目的は、1型糖尿病患者583例を対象に、インスリン イコデクの有効性および安全性を評価すること。

[ TERAHATA / 日本医療・健康情報研究所 ]

糖尿病・内分泌プラクティスWeb 糖尿病・内分泌医療の臨床現場をリードする電子ジャーナル

尿病関連腎臓病の概念と定義 病態多様性 低栄養とその対策
小児・思春期1型糖尿病 成人期を見据えた診療 看護師からの指導・支援 小児がんサバイバーの内分泌診療 女性の更年期障害とホルモン補充療法 男性更年期障害(LOH症候群)
神経障害 糖尿病性腎症 服薬指導-短時間で患者の心を掴みリスク回避 多職種連携による肥満治療 妊娠糖尿病 運動療法 進化する1型糖尿病診療 糖尿病スティグマとアドボカシー活動 糖尿病患者の足をチーム医療で守る 外国人糖尿病患者診療
インクレチン(GLP-1・GIP/GLP-1)受容体作動薬 SGLT2阻害薬 NAFLD/NASH 糖尿病と歯周病 肥満の外科治療 骨粗鬆症 脂質異常症 がんと糖尿病 クッシング症候群 甲状腺結節 原発性アルドステロン症
エネルギー設定の仕方 3大栄養素の量と質 高齢者の食事療法 食欲に対するアプローチ 糖尿病性腎症の食事療法
糖尿病薬を処方する時に最低限注意するポイント(経口薬) GLP-1受容体作動薬 インスリン 糖尿病関連デジタルデバイス 骨粗鬆症治療薬 二次性高血圧 1型糖尿病のインスリンポンプとCGM

医薬品・医療機器・検査機器

糖尿病診療・療養指導で使用される製品を一覧で掲載。情報収集・整理にお役立てください。

一覧はこちら

最新ニュース記事

よく読まれている記事

関連情報・資料