【新型コロナ】良好なHbA1cを長期的に維持すると新型コロナの重症化リスクが低下 メトホルミンとインスリンの併用でリスク低下

2021.12.16
過去2~3年間のHbA1cがCOVID-19重症化リスクと独立して関連
 糖尿病患者が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患した場合、罹患の2~3年前からの血糖管理状態がCOVID-19重症化リスクに独立して関連することが明らかになった。一方、罹患前の3~6カ月という比較的短期間の血糖管理状態は、COVID-19重症化リスクと有意な関連がないとのことだ。米国の医療機関であるオプタムヘルスのBowen Wang氏らの研究によるもので、詳細は「BMJ Open Diabetes Research & Care」に9月7日掲載された。

 この研究は、オプタムヘルスの医療データベースであるOptumLabs Data Warehouseの2017年1月~2020年11月のデータを用いて行われた。この間にCOVID-19に罹患した2型糖尿病患者として、1万6,504人(平均年齢67.6±12.0歳、男性47.7%)が記録されていた。これらの対象者のCOVID-19罹患前のHbA1cと、ICU入室で評価したCOVID-19重症化リスクとの関連を検討した。

 年齢、性別、併存疾患などの交絡因子を調整後、COVID-19罹患2~3年前からの平均HbA1cが1%高いごとに、ICU入室リスクが12%高いという関連が認められた〔ハザード比(HR)1.12(95%信頼区間1.09~1.15)〕。また、HbA1c9.0%以上の群は9.0%未満の群に対しHR1.48(同1.34~1.63)と、5割近くICU入室リスクが高かった。HbA1cのカットオフ値を8%に設定した場合も、8%以上の群はHR1.34(同1.23~1.45)であり、さらに7%に設定した場合もHR1.12(同1.09~1.15)と、いずれも有意性が保たれていた。

 HbA1cのカットオフ値9%で認められたHR1.48という値は、本研究で検討されたリスク因子の中で最も高いハザード比だった。HbA1c以外の有意なリスク因子として、高血圧(HR1.30)、男性(HR1.30)、腎障害(HR1.28)、肥満(HR1.26)などが抽出され、反対にリスク低下と関連する因子として、ステロイドの使用(HR0.71)、メトホルミンとインスリンの併用(HR0.82)、メトホルミン使用(HR0.88)が抽出された。レニン-アンジオテンシン系降圧薬(ARBやACE阻害薬)によるCOVID-19重症化リスクの低下は観察されなかった。

 一方、COVID-19罹患前3~6カ月の平均HbA1cは、ICU入室リスクとの有意な関連が認められなかった。具体的には、HbA1c9.0%以上であっても9.0%未満の群に対するハザード比が1.27(同0.98~1.64)だった。なお、COVID-19罹患1~2年前の平均HbA1cが9%以上の場合は、HR1.42(同1.30~1.56)で有意なリスク上昇が認められた。

 著者らは、「2型糖尿病患者の中からCOVID-19罹患時の重症化リスクの高い集団を特定するには、ワンポイントのHbA1cではなく、より長期間のHbA1cから推測した方が良いのではないか」と述べている。

[HealthDay News 2021年12月7日]

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