POCT機器の一元管理を可能にする「cobas infinity POC」と操作性の高い新タイプの血糖測定システム「コバス pulse」を発売 ロシュ
POCT機器を用いた検査の課題を解決するのに貢献
ロシュ・ダイアグノスティックスは、院内で使用されるPOCT機器の一元管理を可能にするデータ管理システム「cobas infinity POC」と、POCT用途を満たす安全性と性能、さらにはスマートフォンのような操作性を備えた新しいタイプの血糖測定システム「コバス pulse」(一般的名称:グルコース分析装置)を12月25日に発売する。
「cobas infinity POC」は、さまざまなPOCT機器をWebベースで一元管理できるデータ管理システム。検査室にいながら、病棟のPOCT機器の状態をリアルタイムで把握、遠隔操作することができる。さらに、測定結果・測定ロット・日時・測定者・場所の確認や、自動生成されるレポートで結果の確認を行うことができる。
「コバス pulse」は、別売の専用試験紙を用いて全血中のグルコースを測定する医療機器。小型でありながら中央検査室と同レベルの精度、140以上の干渉物質の影響を受けない、RFIDタグによるスピーディなログインが可能など、院内用途に必要なニーズを満たしている。Androidベースのインターフェースを採用し、まるでスマートフォンのような感覚で操作できるとしている。データ管理システムと連携させることで、Wi-Fiを使用したリアルタイムのデータ送信、結果管理が容易になる。
同社は「cobas infinity POC」と「コバス pulse」について、POCT機器を用いた検査の課題を解決するために貢献するものとしている。
POCT(ポイント・オブ・ケア・テスティング)とは、小型分析器などを用いて、被検者のそばで医療従事者が行う即時検査。病棟やICUなど院内のあらゆる場所で行われ、医療従事者が自在に移動して行うことのできる機動性に富んだ検査と言える。
しかし、POCTは利便性が高い一方で、使用される機器の大半は検査室や病院のシステム(LIS、HIS)に接続されておらず、結果報告は手入力によることが多いとされている。また、糖尿病有病率が年々増加傾向にある日本では、入院中に血糖測定を行う必要のある患者も多い。医療現場でPOCT機器を用いた検査が多く実施されているものの、適切な機器管理や患者データ管理での課題を抱えたまま、多くの検査が行われている現状がある。
そうしたなか、POCT検査に関する要求事項(ISO22870)が、臨床検査室の品質と能力に関する要求事項であるISO15189:2022(第4版)に統合された。これを受けて、POCT機器の管理やトレーサビリティに関するニーズが、今後さらに高まることが予想されるとしている。
「cobas infinity POC」と「コバス pulse」の導入により、手書きによる転記ミスの防止、施設間でのデータ共有、患者データとの統合が実現し、検査プロセスのトレーサビリティも確保でき、医療従事者のワークフローの大幅な改善が見込まれ、より良い患者ケアに貢献できるとしている。
cobas infinity POC POCT機器用データ管理システム |
|
---|---|
|
|
主な特長 |
|
コバス pulse | |
---|---|
専用試験紙である血液検査用グルコースキット「コバス GLU ストリップ」(同日発売、別売)を用いて測定を行います。 | |
|
|
主な仕様 | 必要検体:全血 0.6μL (毛細血管血、静脈血、動脈血、踵穿刺血) 測定時間:10秒以下 測定範囲:10~600mg/dL 記録容量:2,000件 測定結果:血漿グルコース値に換算して表示 外形寸法:77mm(幅) × 30mm(奥行) × 210mm(高さ) 重量:約390g (バッテリーパック含む) |