経口GLP-1受容体作動薬「セマグルチド50mg」により15.1%の体重減少を達成 肥満・過体重の成人が対象

2023.05.31
 ノボ ノルディスクは、肥満または体重に関連した合併症を1つ以上有する過体重の成人を対象としたグローバル第3a相臨床試験プログラム「OASIS 1」で、1日1回投与の経口GLP-1受容体作動薬であるセマグルチド50mgにより、68週間後に15.1%の体重減少を達成し、プラセボ投与群の2.4%に対し優越性を示したと発表した。

 5%以上の体重減少を達成した被験者の割合は、経口セマグルチド50mg投与群で84.9%だった(プラセボ投与群では25.8%)。

全員が治療を遵守した場合には体重減少は17.4%に

 OASISは、肥満患者を対象とした、経口GLP-1受容体作動薬「セマグルチド」の25mgおよび50mgの1日1回投与による第3相臨床開発プログラム。同グローバル第3相臨床プログラムは、現在、肥満または体重に関連した合併症を1つ以上有する過体重の成人約1,300人を登録した4つの試験で構成されている。

 「OASIS 1」は、肥満または体重に関連した合併症を1つ以上有する過体重の成人667人を対象とした、体重管理のための経口GLP-1受容体作動薬「セマグルチド50mg」の1日1回投与とプラセボ投与の有効性および安全性を比較した68週間の試験。いずれの投与群でも、生活習慣の介入を並行して行った。

 その結果、同試験の主要評価項目である体重減少について、経口セマグルチド50mgの1日1回投与により、プラセボ投与と比較し統計的に有意な減少(優越性)が示された。

 すべての被験者が治療を遵守した場合の治療効果にもとづく評価では、平均ベースライン体重105.4kgから、68週間後の体重減少は、経口セマグルチド50mg投与群で17.4%になり(プラセボ投与群では1.8%)、有意に大きい体重減少が示された。*

* 治験薬estimand(すべての被験者が治療を遵守した場合の治療効果)にもとづく。

 さらに、経口セマグルチド50mgを投与した被験者の89.2%が、68週間後に5%以上の体重減少を達成した(プラセボ投与群では24.5%)。

 治療方針estimandに対する解析では、経口セマグルチド50mgの投与群では15.1%の体重減少を達成し、優越性を示した(プラセボ投与群では2.4%)*

* 治療方針estimand(治療の遵守度によらない治療効果)にもとづく。

 また、5%以上の体重減少を達成した被験者の割合は、経口セマグルチド50mg投与群で84.9%だった(プラセボ投与群では25.8%)。

 同試験で、経口セマグルチド50mgは安全かつ良好な忍容性が認められた。主な有害事象は、胃腸障害の有害事象で、大多数は軽度から中等度で時間とともに消失し、既存のGLP-1受容体作動薬と同様の経過を示したとしている。消化器系の有害事象は、用量漸増時にもっとも多く認められた。

 「1日1回投与の経口セマグルチドが、肥満患者さんに対し有意な体重減少を示したことを大変嬉しく思います。今回の結果は、肥満患者さんを対象とした皮下注射のセマグルチド2.4mg(販売名:Wegovy)のSTEP 1試験の結果と同程度の体重減少を示しています。体重管理のための1日1回の錠剤服用と週1回の皮下注射という選択肢を提供することにより、患者さんと医療従事者がそれぞれの治療の状況に合わせて最も適した治療法を選択する機会を得ることができるようになります」と、同社ではコメントしている。

 なお、この試験での「肥満」とは、世界保健機関(WHO)の国際基準にもとづいた、体格指数(BMI)が30以上のもの、「過体重」とは、BMI 27以上30未満のものを指している。一方、日本ではBMI 25以上のものが「肥満」 (BMI 35以上は「高度肥満」)と定義されている。「肥満症」は、肥満があり、肥満に起因ないし関連する健康障害を合併するか、その合併が予測され、医学的に減量を必要とする病態と定義されている(肥満症診療ガイドライン2022)。

ウゴービ皮下注0.25mgSD ウゴービ皮下注0.5mgSD ウゴービ皮下注1.0mgSD ウゴービ皮下注1.7mgSD ウゴービ皮下注2.4mgSD 添付文書 医薬品ガイド (医薬品医療機器総合機構)

[ TERAHATA / 日本医療・健康情報研究所 ]

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