「フィアスプ注 インスリンポンプでの適正使用」を呼びかけ 「37℃を超える高温を避ける」など ノボ ノルディスク
インスリンポンプに充填して使用する際は、37℃を超える高温を避ける
ノボ ノルディスク ファーマは2023年2月に、「フィアスプ®注 インスリンポンプでの適正使用のお願い(続報)」を公表した。情報は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)のサイトでも公開されている。
超速効型インスリンアナログ製剤である「フィアスプ注100単位/mL」は、持続皮下インスリン注入(CSII)で使用可能な製剤。
日本国内でフィアスプ注使用時に、インスリンポンプにセットされた注射液にゲル化がみられ、重篤な高血糖にいたった事例が1例報告されたため、同社は2022年3月に、「フィアスプ注 インスリンポンプでの適正使用のお願い」の注意喚起を行った。
これ以降、同年12月31日までに、国内で「フィアスプ注バイアル製剤」の注射液にゲル化がみられたという事例は2例(いずれも高血糖発現あり(非重篤))報告された。
そこで同社は今回、ゲル化について原因調査した結果と、フィアスプ注投与時の注意点について、あらためて公開を開始した。
ゲル化については、これまで機械的攪拌や37℃以上の温度でインスリンのゲル化がみられるという報告、ポンプ使用下でインスリンのゲル化がみられたという報告があるため、ゲル化の原因究明を目的に、フィアスプ注の物理的安定性試験を行ったという。
物理的安定性試験の結果から、インスリンポンプでの使用時に、温度の上昇が加わり、機械的振動に相当するストレスが加わった場合、ゲル化が生じる可能性が考えられるという。
また、リザーバーに充填されたフィアスプ注は6日以内であれば安定であることも確認されている。
- インスリンポンプに充填して使用する際は、37℃を超える高温を避けるよう(例:ポンプを暖房器具、カイロなどの熱源に近づけないなど)指導してください。
- インスリンポンプのリザーバーに充填されたインスリンは6日以内、またはポンプの取扱説明書に従って、いずれか短い方の期間で交換するように指導してください。
- インスリンポンプの動作状況および患者自身の血糖コントロール状況を確認するように指導してください。
- インスリンポンプ内の注射液中に変化(付着物、浮遊物など)がみられた場合は、ポンプの部品(リザーバーまたはチューブ)を交換し、これまで使用していたフィアスプ注バイアル製剤は使用せず新しいフィアスプ注バイアル製剤に変更するように指導してください。また、適切に動作しない場合に備え、他のインスリン注射手段(ペン型インスリン注入器製剤など)を携帯するように指導してください。
- フィアスプ注ペンフィルおよびフィアスプ注フレックスタッチは、インスリンポンプでは使用できません。患者に対してペンフィルおよびフレックスタッチに充填された注射液をシリンジで抜き取らないように指導してください。
医薬品医療機器総合機構
関連情報 「フィアスプ注」の適正使用を呼びかけ インスリンポンプで使用時にゲル化 重篤な高血糖の事例が報告 (糖尿病リソースガイド 2022年3月31日)