2型糖尿病患者の3人に1人が心血管疾患に罹患 うち大多数が治療による管理を受けていない CAPTURE試験
2020.09.30
ノボ ノルディスクは、2型糖尿病患者における心血管疾患の有病率と心血管リスク、ならびにその管理について把握することを目的とした非介入国際共同試験である「CAPTURE」試験の結果を発表した。
2型糖尿病における心血管疾患に関する世界最大規模の試験
「CAPTURE」試験は、2型糖尿病患者における心血管疾患の有病率と心血管リスク、ならびにその管理について把握することを目的とした初の非介入国際共同試験。 同試験の目的は、2型糖尿病患者のうち、心血管疾患ハイリスクおよびアテローム動脈硬化性心血管疾患を有する人々の割合を把握すること、および心血管疾患に罹患している2型糖尿病患者における、心血管リスクを抑制する医薬品の使用状況を記録すること。 アテローム動脈硬化性心疾患は、脳血管疾患(頸動脈疾患を含む)、冠動脈疾患および/または末梢動脈疾患として定義された。 同試験は、アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、チェコ、中国、フランス、ハンガリー、イスラエル、イタリア、日本、メキシコ、サウジアラビア、トルコで、1万人近くの2型糖尿病患者が参加して行われた。2型糖尿病の診断を受けてから180日以上が経過した18歳以上の患者を被験者とした。 その結果、2型糖尿病患者の3人に1人が心血管疾患に罹患していること、また、そのうち10人中9人がアテローム動脈硬化性心血管疾患に罹患していることが明らかになった。 アテローム動脈硬化性心血管疾患は、動脈壁の内部と表面に脂肪やコレステロールなどの物質が蓄積し、血管が細くなることにより発症する疾患で、その結果、血流が減少し、心臓発作や脳卒中などのイベントを引き起こすおそれがある。 また、同試験では、2型糖尿病とアテローム動脈硬化性心血管疾患を併発している人々のうち、心血管へのベネフィットが検証されている糖尿病治療薬を使用している人は、10人中2人に過ぎないことも明らかになった。 同試験では、プライマリケアおよびセカンダリケア環境の双方から、2型糖尿病における心血管疾患に関する情報がはじめて収集された。これは、2型糖尿病患者のかなりの割合が、糖尿病専門医と合わせてプライマリケア医によって治療を受けているという事実を反映するものだ。 「心血管疾患は2型糖尿病患者の身体障害や死亡の主な原因となっています。最近まで2型糖尿病と心血管疾患との関係の重要性については、国際的な規模では十分には認識されていませんでした」と、ノボ ノルディスクのステファン ガフ氏は述べている。 「CAPTURE試験の結果は、2型糖尿病患者の治療にあたるすべての人々にとって重要なものです。データからは、2型糖尿病患者グループにおけるアテローム動脈硬化性心血管疾患の有病率が高いにもかかわらず、その大多数の方が、人生を一変させる恐れのある心血管イベントのリスクを抑えることが判明している治療による管理を受けていないことが明らかになりました」と、ノボ ノルディスクおよびハダサ医療センター(イスラエル)糖尿病部門の顧問を務める試験責任医師のオフリモ センゾン氏は述べている。 「心血管疾患は2型糖尿病の重要なファクターとして優先的に管理することが重要です。2型糖尿病とともに生きる人々は、自身のリスクファクターに対する意識を高める必要があります。また医師は、2型糖尿病のスクリーニングを積極的に実施する必要があります。現在では、さまざまな治療ガイドラインが推奨しているように、心血管ベネフィットが判明している治療を通じて、このリスクに対処することが可能です」としている。 ノボ ノルディスク ファーマAn International Survey of the Occurrence of Cardiovascular Disease Among Patients With Type 2 Diabetes (CAPTURE-IO)(ClinicalTrials.gov)
[Terahata / 日本医療・健康情報研究所]