【新型コロナウイルス】COVID-19の症例報告に特化した検索エンジンを開発 情報共有や診断、治療法の開発に活用できる
2020.06.03
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)などが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の症例報告に特化した検索エンジンを開発した。
COVID-19に取り組む医療関係者の情報共有や診断・治療法の開発を促進
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、プレシジョン、自治医科大学は、開発中のアルゴリズムを用いて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の症例報告に特化した検索エンジンを開発し、「日本医師会COVID-19有識者会議」(座長:永井良三・自治医科大学学長)のウェブサイトで5月3日より公開を開始した。 これにより、COVID-19症例を可視化・分析することが可能となり、COVID-19に取り組む医療関係者の情報共有や診断・治療法の開発を促進すると期待している。 NEDOは、業界横断型人工知能(AI)システムの開発と業界共用データ基盤の開発を通じて、国内企業にとどまらない幅広いデータ連携による価値創出の促進を目的に「Connected Industries推進のための協調領域データ共有・AIシステム開発促進事業」を推進している。個々の報告の文脈と臨床所見の関係性を分かりやすく表示
COVID-19は人類がはじめて経験する疾患であり、多くの症例報告を収集し、わかりやすく整理したうえで患者の傾向を分析することが急がれる。すでに日本感染症学会のウェブサイトには「COVID-19症例提示」が掲載されており、情報が提供されているが、非専門家が症例報告の情報を活用するためには、個々の報告の文脈と臨床所見の関係性を分かりやすく表示する必要がある。 今回、日本感染症学会の了解を得て同学会ウェブサイトに掲載されている症例報告の中から、著者の許諾をとれた約70症例の報告を構造化して整理し、開発中のアルゴリズムを用いて検索エンジンを作成した。このアルゴリズムでは、医療情報を横断的に統合した診療支援システムの開発を目指している。 その結果、症例の文脈をたどり、生じたイベントの時系列と、医学用語の関係を図示することで、COVID-19症例の可視化と、簡単な分析が可能になった。 COVID-19の克服には、医療の専門家と非専門家が協力して、試行錯誤を繰り返す必要がある。「医学知識を構造化、デジタル化した今回のデータベースは今後、新型コロナウイルス対策に取り組む医療関係者の情報共有に活用され、COVID-19克服を補助するツールとして、診断・治療法の開発に貢献できます」と、NEDOでは述べている。 日本医師会COVID-19有識者会議 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)新型コロナウイルス感染症(日本感染症学会)
[Terahata / 日本医療・健康情報研究所]