疼痛治療剤「タリージェ錠」発売 糖尿病性末梢神経障害性疼痛の治療の新たな選択肢に
2019.04.25
第一三共は、疼痛治療剤「タリージェ錠2.5mg・5mg・10mg・15mg」(一般名:ミロガバリンベシル酸塩)を、4月15日に国内で発売した。末梢性神経障害性疼痛領域(PNP)での新たな治療の選択肢となる。
糖尿病性末梢神経障害性疼痛に罹患している患者は9~22%
タリージェは、第一三共が創製したα2δリガンド(電位依存性カルシウムチャネルのα2δサブユニットに結合する物質)で、2019年1月に「末梢性神経障害性疼痛(PNP)」を適応として承認を取得した。この承認は、日本を含むアジアにおいて実施した糖尿病性末梢神経障害性疼痛(DPNP)患者を対象とした第3相臨床試験、帯状疱疹後神経痛(PHN)患者を対象とした第3相臨床試験の結果にもとづくもの。 PNPは、さまざまな原因によって末梢神経に損傷や機能異常が起こり生じる痛みで、代表的なものにDPNPやPHNなどがある。 このうち糖尿病性末梢神経障害性疼痛(DPNP)は、神経の損傷によって引き起こされる末梢性神経障害性疼痛の代表的な疾患。糖尿病性末梢神経障害は、四肢の神経障害や知覚麻痺を引き起こす疾患で、もっとも一般的で長期化する糖尿病の3大合併症のひとつ。症状として、激しい痛み、痛覚過敏、しびれ、平衡および筋肉運動障害、灼熱痛、刺痛などがあり、夜間に痛みが増すことが多く、睡眠障害にいたることもある。日本で1,000万人を超えると推測される糖尿病患者のうち、DPNPに罹患している患者の割合は9~22%と報告されている。 また、帯状疱疹後神経痛(PHN)は、神経の損傷によって引き起こされる末梢性神経障害性疼痛の代表的な疾患で、帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスが神経節内に潜伏感染し、ウイルスに対する免疫力が低下することで発症する。PHNでは、帯状疱疹が治癒した後も焼けるような痛みや電気が走るような痛みが持続し、まれに筋力の低下や麻痺を引き起こす難治性疼痛のひとつと考えられている。日本で年間に50~60万人が発症している帯状疱疹患者のうち、PHNに罹患している患者の割合は10~25%とされている。販売名 | タリージェ錠 2.5mg・5mg・10mg・15mg |
一般名 | ミロガバリンベシル酸塩 |
効能・効果 | 末梢性神経障害性疼痛 |
用法・用量 | 通常、成人には、ミロガバリンとして初期用量1回5mgを1日2回経口投与し、その後1回用量として5mgずつ1週間以上の間隔をあけて漸増し、1回15mgを1日2回経口投与する。なお、年齢、症状により1回10mgから15mgの範囲で適宜増減し、1日2回投与する。 |
薬価 | タリージェ錠 2.5mg:1錠 78.00円 タリージェ錠 5mg:1錠 107.70円 タリージェ錠 10mg:1錠 148.70円 タリージェ錠 15mg:1錠 179.60円 |
2019年1月8日 | |
薬価基準収載日 | 2019年2月26日 |
発売日 | 2019年4月15日 |
製造販売元 | 第一三共株式会社 |
[Terahata / 日本医療・健康情報研究所]