2型糖尿病などの生活習慣病リスクを予測するAI(人口知能)を共同開発 100万人の健診データを解析
2018.10.23
2型糖尿病などの生活習慣病リスクを予測するAI(人口知能)を共同開発したと、SOMPOホールディングス、東芝などが発表した。SOMPOホールディングスのヘルスケアサービスのノウハウと、東芝グループのAI・ビッグデータ解析技術とを融合させたという。
100万人分の最長8年の健診データをもとに、糖尿病リスクを予測するAIを開発
近年、健康診断やレセプトなどの健康関連データにデジタル技術を活用した分析による健康経営推進に向けたさまざまな予防・健康づくりの取組みが行われている。とりわけ生活習慣病は、医療費の増大や企業における従業員の生産性低下などをもたらすことから、発症リスクの把握と予防によって個人の生活習慣の改善や健康増進をはかることが課題とされている。 そこで両グループは、SOMPOホールディングスグループがもつヘルスケアサービスのノウハウと、東芝グループがもつAI・ビッグデータ解析技術とを融合させ、2型糖尿病・高血圧症・脂質異常症の3つの生活習慣病リスクを予測するAIを共同開発した。 SOMPOホールディングスグループは、約500の健康保険組合に対して特定保健指導を行うノウハウと顧客ネットワークをもち、東芝グループは、産業分野で培ってきたビッグデータ解析技術に関する知見をもっている。さまざまな形式のデータを分析し、パターンや規則性を発見する技術を、病気の治療や予防といった分野へ展開する「ヘルスケアデータマイニング」技術を、国内外の大学などと共同研究してきた実績もある。 これらの両グループがもつノウハウ、技術、知見を応用して、研究協力機関などの約100万人分の最長8年の健診データをもとに、新たな技術を開発したという。 両グループは、生活習慣病リスクを予測するAIの精度向上に加えて、食生活や運動習慣改善などの行動変容を促すためのソリューション開発を進めていく。2018年度中に健康保険組合における特定保健指導などで実証実験を開始する。 また、糖尿病発症後の重症化を予防するための健康指導などのサービスに向けたアルゴリズム開発のほか、対象となる生活習慣病の範囲拡大に向けたAI開発・強化を目指す。 今後、SOMPOホールディングスグループが展開するヘルスケアサービスを通じて、具体的なサービスの展開を検討していくとともに、他企業との連携による活用を進めていくとしている。東芝
[Terahata / 日本医療・健康情報研究所]