高齢患者さんの糖尿病診療、その特徴と注意点をわかりやすく解説

2017.07.24
「糖尿病情報スクランブル」の連載「糖尿病治療薬の特徴と服薬指導のポイント」を更新しました。今回は「経口血糖降下薬配合剤の現状と注意点」と題して、糖尿病治療薬の配合剤について、加藤光敏先生(加藤内科クリニック院長)に解説していただきます。
「糖尿病治療薬の特徴と服薬指導のポイント」へ ▶

第27回 高齢者糖尿病診療の特徴と注意点(1)(本文より)

はじめに

 日本の高齢者の割合は増え続けています。平成27年簡易生命表によると、日本人の平均寿命は男性80.79歳、女性87.05 歳と前年より男性0.29年、女性0.22年伸びています。65歳以上の高齢化率は26%で高齢者は4人に1人を超える超高齢社会に突入しました。当院の外来でも糖尿病患者の平均年齢はゆっくり上昇しています。高齢糖尿病患者の指導は困難な事も多く、落とし穴もあります。単なる糖尿病患者ではなく「高齢というハンディーを抱える糖尿病患者」としての視点が必要です。第1回は高齢者の全般的な特徴について考えてみます。

高齢者と壮年者との相違

  高齢糖尿病患者の特徴は何でしょうか。高齢者が糖尿病に大きく影響するのは骨格筋量の低下でしょう(文献1)。若い症例では内臓脂肪肥満がインスリン抵抗性を惹起しますが、骨格筋量低下によるサルコペニアもインスリン抵抗性を引き起こし、食後高血糖を惹起します。壮年・高齢患者自身は気づきにくいのですが、骨格筋の太さの減少だけでなく、筋細胞間は脂肪組織に置き換わり、そして活動量の低下は脂肪筋を増やすという悪循環となります。またうつや、食事内容の簡素化とそれに伴う低栄養があります。薬物療法でも低栄養患者では効き方が悪かったり、急な血糖低下を惹起したり、効果がムラになりがちです。

続きはこちら...
第27回 高齢者糖尿病診療の特徴と注意点(1)

 「糖尿病治療薬の特徴と服薬指導のポイント」では、日本糖尿病学会認定専門医であり、同学会の認定指導医でもある、加藤内科クリニック院長の加藤光敏先生に、ご自身の知識と経験を踏まえた服薬指導のポイントを、わかりやすく解説していただきます。

糖尿病治療薬の特徴と服薬指導のポイント/執筆者プロフィール

糖尿病・内分泌プラクティスWeb 糖尿病・内分泌医療の臨床現場をリードする電子ジャーナル

インクレチン(GLP-1・GIP/GLP-1)受容体作動薬 SGLT2阻害薬 NAFLD/NASH 糖尿病と歯周病 肥満の外科治療 骨粗鬆症 脂質異常症 がんと糖尿病 クッシング症候群 甲状腺結節 原発性アルドステロン症 FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症 褐色細胞腫
GLP-1受容体作動薬の種類と使い分け インスリンの種類と使い方 糖尿病関連デジタルデバイスの使い方 骨粗鬆症治療薬の使い分け 二次性高血圧 糖尿病薬を処方する時に最低限注意するポイント(経口薬) 血糖推移をみる際のポイント 1型糖尿病の治療選択肢(インスリンポンプや持続血糖測定器など)
Childhood Cancer Survivor(CCS)の小児期から成人にかけての内分泌診療 小児・思春期1型糖尿病患者・家族への指導・支援 成人期を見据えた小児期発症1型糖尿病の診療
エネルギー設定の仕方 3大栄養素の量と質 高齢者の食事療法 食欲に対するアプローチ 糖尿病性腎症の食事療法
神経障害 糖尿病性腎症 服薬指導-短時間で患者の心を掴みリスク回避 多職種連携による肥満治療 妊娠糖尿病 運動療法 進化する1型糖尿病診療 糖尿病スティグマとアドボカシー活動 糖尿病患者の足をチーム医療で守る 外国人糖尿病患者診療

医薬品・医療機器・検査機器

糖尿病診療・療養指導で使用される製品を一覧で掲載。情報収集・整理にお役立てください。

一覧はこちら

最新ニュース記事

よく読まれている記事

関連情報・資料