「ライゾデグ配合注」は低血糖発現頻度を有意に低下

2014.07.04
ノボラピッド30ミックス注と比較

 ノボ ノルディスク ファーマは、試験終了時にHbA1c 7%未満を達成した成人2型糖尿病患者において、低血糖の発現頻度が「ノボラピッド30ミックス注(二相性インスリンアスパルト-30)」と比較して、「ライゾデグ(R)配合注(一般名:インスリン デグルデク/インスリン アスパルト)」で有意に低かったというメタアナリシス結果を発表した。

 「ライゾデグ配合注」は世界ではじめて1本のペンに2つの有効成分を含有した配合溶解インスリンアナログ製剤。食事時の追加分泌を補う超速効型インスリン(インスリン アスパルト)と基礎分泌を補充する持効型溶解インスリン(インスリン デグルデク)を3:7の割合で含有する。

低血糖の発現リスクは、ライゾデグ配合注で30%有意に低下

 同メタアナリシスは、ライゾデグ配合注またはノボラピッド30ミックス注の1日2回投与を26週間実施した2つの臨床試験で、試験終了時にHbA1c7%未満を達成した2型糖尿病患者を対象に、低血糖発現頻度を投与群間で比較したもの。両試験を合わせ、計49.1%の患者が本メタアナリシスに参加した。

 結果の概要は以下の通り――
・ すべての低血糖の発現リスクは、ノボラピッド30ミックス注と比較して、ライゾデグ配合注で、30%有意に低下。
・ 夜間低血糖の発現リスクは、ノボラピッド30ミックス注と比較して、ライゾデグ配合注で、66%有意に低下。
・ 試験終了時のHbA1cの平均は、ライゾデグ配合注とノボラピッド30ミックス注で同様で、いずれも6.4%だった。
・ 空腹時血糖値のベースラインからの低下量は、ノボラピッド30ミックス注と比較して、ライゾデグ配合注で有意に大きかった
 平均低下量:ライゾデグ配合注で-54.8mg/dL、ノボラピッド30ミックス注で-38.0mg/dL。
・ 試験終了時の平均1日総インスリン投与量はノボラピッド30ミックス注と比較して、ライゾデグ配合注で有意に少なかった
 ライゾデグ配合注で0.9単位/kg、ノボラピッド30ミックス注で1.1単位/kg。

低血糖発現頻度の低下を期待

 ライゾデグ配合注の超速効型画分であるインスリン アスパルトは「ノボラピッド注」として10年以上使用され、評価が確立している。また、持効型溶解画分である「インスリン デグルデク」は長時間にわたり平坦で安定した作用を示す。

 1日1回または2回皮下注射できる製剤であり、持効型溶解インスリンと超速効型インスリンを別々に補うよりも投与回数を減らすことができる。

 基礎分泌補充画分が持効型溶解インスリンであるため、従来の混合型インスリン製剤と比較して、優れた血糖降下作用だけでなく低血糖発現頻度も低下させることが期待できるという。

 今回の発表は、米国カリフォルニア州サンフランシスコで開催された第74回米国糖尿病学会(ADA)年次学術集会のポスターセッションにて行われたものだ。

ノボ ノルディスク ファーマ

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