2型糖尿病患者との治療初期のコミュニケーションに課題 大規模調査「IntroDia」
2014.07.04
26ヵ国の6,753人の医師が参加した、2型糖尿病患者とその担当医の、治療初期のコミュニケーションに関する大規模な調査「IntroDia」から得られた最初の知見が第74回米国糖尿病学会(ADA)で発表された。
医師のほとんどは2型糖尿病患者の生活改善をサポートするツールを望んでいる
IntroDiaは、ベーリンガーインゲルハイムとイーライリリー・アンド・カンパニーが国際糖尿病連合(IDF)のパートナシップのもと開発した、2型糖尿病患者とその担当医の、治療初期のコミュニケーションに関する調査。6,753人の医師および約1万人の2型糖尿病患者が参加する予定だ。 その結果、医師の4分の3以上(26ヵ国における76~100%)は、「診断時の患者とのコミュニケーションが2型糖尿病患者の病気の受容や治療アドヒアランスに影響する」という考えに同意しており、患者との会話は重要であるにもかかわらず、診断時のコミュニケーションにはさまざまな問題があると認識していることが明らかになった。 そうした問題には、「患者と重要な会話をする時間が十分にとれない」ということに加え、「必要とされる生活改善などの行動変容に患者がついていけない」、「過去の悪い習慣に戻ってしまう」ことなどが含まれる。 また、調査対象となった医師の大多数(92%)から、「2型糖尿病患者の生活改善をサポートするツールが欲しい」という意見が出た。IntroDia調査は現在進行中で、今後は医師と2型糖尿病患者の治療初期のコミュニケーションをサポートするツールも開発する予定だ。 国際糖尿病連合のバイスプレジデントでありIntroDiaアドバイザリーボードメンバーであるアン ベルトン氏は「治療初期のコミュニケーションが糖尿病の管理に影響し、患者の転帰にも影響を及ぼしうることが明らかになった。医師が患者とのコミュニケーションをサポートすることで、2型糖尿病患者さんにより良い結果がもたらされることを願っている」と述べている。 IntroDia Study[Terahata / 日本医療・健康情報研究所]